隠すほどの爪なら無い

自分自身の、この自我というものが消滅することへの覚悟はできた。苦しみからの開放・・・。だけど、だけどあと少しだけ、続きが見たい…!

Winnyと包丁

ファイル交換ソフトとして有名なWinnyの開発者が逮捕されました。

JASRACは「Winnyはピストル」などというふざけたコメントをしていたようです。JASRACには前からいい感情を持っていないのですが、馬鹿もたいがいにしろと思いましたね。

ピストルは人を殺傷する以外の目的がない道具です。となると、Winnyは人を殺傷する以外に目的のないソフトウェアということになります。でも実際は、フリーソフトウェアの流通やプロモーションなど人の役にもたっているし、使っている人は喜んでいます。ピストルで幸せになる人は少ないでしょうが、Winnyを使っている人の多くは喜んでいます。幸せになっています。まったく、どういう比喩なんでしょうかね。

どちらかというと「Winnyはよく切れる包丁」といったほうがいいでしょう。よく切れる包丁で料理をする。これはまったく合法な行為です。また、同じ包丁で人を刺し殺すことも可能です。しかし、人を刺し殺すことのできる「よく切れる包丁」を作った包丁メーカーの社長を逮捕するでしょうか?

本来の意図からはずれた使用に対してまで、提供者が「幇助」の罪を負うなどということは始めて知りました。それだったら、今すぐ日本中の包丁メーカーの社長は殺人幇助、すぐ逮捕しないといけない。(^^;

JASRACが「Winnyはピストル」といったのは、自分たちをはじめとする「著作権益に群がるハイエナ」を駆除するためのピストル、という意味なんでしょうね。確かに、Winnyはかれらハイエナにとってはピストル(下手したら核爆弾?)以外の何者でもないでしょう。

著作権のことをよくわかっている、つまりは、言語や表現技術に熟達した人であれば、こんなヘタなたとえはしないでしょう。彼らが、いかに「銭勘定」しかしない連中かが見て取れます。
誤解のないよう書き添えますが、私は著作者の権利を保護することは重要だと考えています。しかし著作権に関する既得権益を保護する必要などまったくないと思っています。というか、日本の法律も著作権者の権利は保護していますが、既得権益を保護する法律などどこにもありません。彼らはよく「著作権の保護を!」とか言ってますが、その実「われわれ著作権関連者の既得権益の保護を!」といってるのです。

日本の司法には「著作権法」の精神にのっとり、あくまで著作者の権利を保護するという観点のみからの判断を下して欲しいものです。たとえば、Winnyは無名の小説家が自分の作品を流通させるのに非常に有効なチャネルとなりえます。Winnyをつぶすのは、こういった無力な著作者を叩き潰し、すでに有名な著作者の権利のみを保護する、ということになります。既得権益を持った連中に買収されて、くだらない判決が出ないことを望みます。
ちなみに、私はWinnyは使ったことがありませんし、2ちゃんねらーでもありません(たまにROMしますが)。

単に、P2Pの未来と多くの人を幸せにする可能性が、特定団体の利益の為につぶされてしまうのをみるに耐えかねるというだけです。