隠すほどの爪なら無い

自分自身の、この自我というものが消滅することへの覚悟はできた。苦しみからの開放・・・。だけど、だけどあと少しだけ、続きが見たい…!

「うつ」を克服する最善の方法(書評)

長らく抗うつ剤を服用していたですが、最近断薬を決意しました。(私が抗うつ剤を飲むようになった経緯については「脳不満足」をご参照ください)。
最近この本を読んだからです。





私は「デプロメール(明治製薬)」を飲んでいました。デプロメールはSSRI(セロトニン選択型再取り込み阻害薬)のひとつです。SSRIにはほかにパキシル、プロザック(日本では販売されていない)などが有名です。

れらのSSRIは神経伝達物質の「セロトニン」を増やす薬です。しかしこれらの薬剤を飲んだ場合、脳は防御反応を示し、結局脳内のセロトニンはあまり増え
ないそうです。実際、臨床治験のデータでもプラシーボ(偽の薬)に比べて、うつの改善効果がわずか10%(プラシーボで31%改善、プロザックで41%改
善)しか勝らないという結果が出ているようです。また、いずれも半数以上は改善していないということです。
いっぽう、これらの薬を飲むと、セロトニンを増やそうとするSSRIと、セロトニンの急激な増加を防ごうとする脳の防御反応の「綱引き」により、精神が不安定な状態になるとかかれています。

の本には、SSRIが引き金となったと認定された殺人事件や自殺などが、何例も取り上げられています。日本では発売されているSSRIの「ルボックス」
(私の飲んでいた「デプロメール」と同成分)は、殺人事件を引き起こしたと裁判で認定された結果、(なぜか)「アメリカでだけ」発売が中止されたそうで
す。「うつ病で自殺した」と統計されている人の中には、相当数「SSRIの副作用でうつ状態が引き起こされ突如自殺した」という人が含まれるそうです。
SSRI(を含む抗うつ剤)はセロトニン神経を過剰に興奮させ、欝や繰状態を招き、さらには脳の恒久的な損傷(セロトニン神経の死滅)を招きかねない危険な薬だそうです。
本著では最初のSSRIである「プロザック」が認可されたいきさつを、実にリアルに著述しています。
ちょうど、日本の厚生省とミドリ十字のようなことが、プロザックの開発会社である「リリー社」とFDA(アメリカの薬の認可機関)の間で行われたそうで
す。試験に対して不利な意見の抹殺、試験に手心を加えたFDA担当者のリリー社への天下りなど、人命無視の利権構造が記載されています。

うつは、生活習慣の改善と栄養療法により、改善できると著者は指摘しています。実際に、運動療法はSSRIと同程度のうつ改善をすることが実験で認められ、さらにSSRIではきわめて高かった再発率が運動療法ではきわめて低かったそうです。
SSRIと同じ効果が得られ、脳にダメージはなく、再発率も低い。運動療法・栄養療法をすべきだということのようです。