隠すほどの爪なら無い

自分自身の、この自我というものが消滅することへの覚悟はできた。苦しみからの開放・・・。だけど、だけどあと少しだけ、続きが見たい…!

【統合医療】「リチウム」というお薬

私は今、よくわからない体調不良・心の不調で精神科にかかっていますが、飲んでいるのが「リチウム」です。
リチウムとは、携帯とかの電池によく入っている「Li+」というのと、同じものです。

薬品名は「リーマス」(成分:炭酸リチウム)です。

ややこしい複雑な化学式であらわされる他の精神科の薬とは違って、単なるアルカリ金属、みなさんもよくご存じのナトリウム(食塩)やカリウムの親戚です。

リチウムは主に躁病の治療に用いられてきたお薬なのですが、「躁を抑える」というよりは「気分の波を緩やかにする」という意味でMood Stabilizer(気分安定剤)と呼ばれており、実は躁だけでなく鬱にも効くことが最近ではわかってきています(鬱に対する効果は、抗鬱剤などに比べると大変弱いものですが)。

なぜこの薬が用いられるのかというと、よく効く上に安全だからです。何十年も昔から利用されてきている薬であるため、治験例が大変多く、有効性もかなり高いことが分かっているそうです。しかしながら面白いことにこのお薬、薬学系の人がよく口にする「作用機序」が不明となっています。

なにしろ、ただの金属イオンの単原子ですから、ナトリウムやカリウムとかと同じように体中の水に混ざって全身に広がってしまいます。作用機序もくそもありません(まあ、何らかのものはあるのでしょうが)。
この薬が何で効くのかを、もっと研究すれば精神科ももっと発展すると思うのですが、なぜか余り研究されていません。一部の良心的な開業医などが利用することがたまにある、程度の薬です。(10年以上精神科に通っていて、今年はじめて私も知ったくらいです)。

作用機序が不明なのでそれ以上研究のしようがないと諦めているのかもしれませんが、この態度は「プラセボがなぜ効くのか」をほったらかしにして、プラセボ比較の二重盲検で効果に有意差を認めないものは駄目だ、としてしまう「頭がいいけどバカな」態度に似ています。

とにかく、効くし安全なんだから、製薬会社のセールストークに乗せられてサインバルタとかまだ治験例もほとんどないような薬を処方するのではなく、リチウムから処方したらどうなんだろう?と私は最近では思っています。

なぜ処方されないか私なりに分析すると、リチウムは飲みすぎたり水分量が減りすぎたりすると濃度が高くなりすぎて「リチウム中毒」になることが分かっているためです。そのうえ、濃度が低すぎるとほとんど効きません。有効血中濃度範囲が極めて狭いので、定期的に血液検査をして濃度を最適に保つ必要があります。面倒なので処方したがらない気持ちはわかります。しかし、少なくとも「副作用:重度の鬱・自殺」とか書いている薬を処方する前に処方すべき薬や、行うべき手当がたくさんあるのではないかと、私はそう思います。

お知らせ
Yuki様より、相互リンクのお申し出がありましたのでお知らせいたします。

[うつ病を驚きの治療法で回復し克服する秘訣]
私自身も取り組んだことのある内容もきれいにまとめてくださっており、参考になると思います。