隠すほどの爪なら無い

自分自身の、この自我というものが消滅することへの覚悟はできた。苦しみからの開放・・・。だけど、だけどあと少しだけ、続きが見たい…!

亡くなった人のNHK受信料

匿名希望で、以下のような問い合わせがあったのですが、この件については非常によく問い合わせがありますので、この機会にまとめておきたいと思います。
友人の話です。
最近、NHKから2年前他界した田舎のお父さん宛に受信料の請求書が
送られてきたので、不思議に思った彼がNHKに問い合わせました。
NHKの担当者が調べて言うには、
「昨年10月に自治体に問い合わせたら、彼のお父さんの障害者控除による
免除期間が終了になっていたので請求書を送った」とのこと。

彼は、その担当者にお父さんは他界したことを伝えたところ、彼のところ
に解約手続きの書類を郵送することと、さらに次のように続けたそうです。

「今日連絡いただいたので、昨年10月から未払いで、本日連絡いただいたので、10月から今月までの受信料をお支払い願います」

彼はびっくりして契約者は他界したので払えないことを言ったそうですが、
NHKが彼にこう言ったそうです。

「わかりました、受信料は払わないと言うことを○○県のNHKに伝えます」

彼は「すでに他界した契約者に対し10月からの受信料を支払えと言うのか」と激怒して言ったそうですが、それに対しNHKは「受信料は払わないと言う
のであれば、払わなくてもいいです…」との回答だったそうです。

NHKって自治体?に問い合わせて、契約者の障害者控除に関する情報を調べたりできるんでしょうか?

自治体も問い合わせに対して回答するんですか?

NHKの対応に友人の怒りはしばらく治まりそうにありません。
亡くなった人のNHK受信料を払う必要があるのかという質問に対する回答は原則としてあります、です。
契約は、遺産相続の際に原則として承継されます。たとえば、父親がアパート経営していた場合を考えてみてください。父親が亡くなっても、アパートの住人はそれ以降家賃を払わなくてよいとはなりません。それ以降は、子供なり奥さんがアパートの家賃を受け取ります。これは遺産相続と同じと考える人も多いかもしれませんが、厳密には父親の契約が承継された結果そういうことになると考えます。
相続人が複数にわたる場合、承継人(代表して契約を引き継ぐ人)というものを決定しないといけないということも法律で決まっています。まあ、たいしたことのない契約の場合誰もしていませんので、それほど気にする必要はありません。が、親がNHKを契約していた場合、受信契約は(相続放棄しない限り)継承することになりますし、親に不払いがあればそれも相続することになります。

したがって、質問の例におけるNHKの要求は正常なものです。

また、誤解もあるようです。障害者控除はお父さんご自身がNHKに対して行ったものと考えられます。自治体がそのような情報をNHKに漏らすことは(原則として)あり得ません。
つまり、お父さんはNHKと契約していて、障害者控除も申請していたということですので、相続人(=承継人)であるご質問のお友達が請求をされるのは、当然のことと言えます。

「死んだら負債はチャラになる」というのも、団信あたりの知識を誤解した結果ではないかと思いますが、死んでも負債はチャラにはならず、相続人が払うことになっています。相続人は、負債を払いたくなければ相続の事実があったことを知ってから3か月以内に家庭裁判所に申し出ることになっています。
それを過ぎている場合相続の放棄はできませんので、原則として負債もすべて支払うこととなります。

法律は正しいものではなく知っている者の味方なのです。
「知らなかった結果損をする」ということを、このブログの読者の方にはできるだけしてほしくないと思っています。ですから、いつも言っているように私の記事やコメントを、きっちり読んで自分自身の「知恵」としてほしいのです。