隠すほどの爪なら無い

自分自身の、この自我というものが消滅することへの覚悟はできた。苦しみからの開放・・・。だけど、だけどあと少しだけ、続きが見たい…!

【統合医療】至適濃度未満の処方

私には相変わらずまともな病名がついたためしがなく「アホ病だ」と言われればああなるほどねと思わないでもないのですが、まあそれはさておき。

今一応「軽微双極性障害」または「Ⅱ型双極性障害」という診断を受けてまして、その適用であるところのリチウムという薬を飲んでいると言うのは既に触れたとおりです。

実は入院当初は「鬱病」と言う診断でした。若干顛末がありまして、入院した病院に運ばれた当時は完全に近い鬱状態になっていたので、抗うつ剤である「デプロメール」一日100mg(少ないでしょ?)で様子を見ていたのです。

退院してもしばらく同じ薬を続けていたところ、体調的には悪くはないのですが、ものすごくハイテンションになって攻撃性が著しく増してしまうという事に気づきました。つまらない事にもイライラして、いちいち人にケンカを売ってしまいます。

そこで病院に相談したところ「双極性障害」の可能性を指摘され、リチウムによる治療に置き換わりました。

これ、あとから冷静になって考えてみるとデプロメールで躁転してしまってたんですね。と言っても、デプロメールを急にやめると断薬症状が出るし急に鬱に落ちても困るということで少量(37.5mg/day)を今でも飲んでいます。

デプロメールで躁転した例はほとんどないと言うことで(パキシルとかはあるそうだけど)、精神科臨床ではうつ病患者にはまずデプロメールを使います。パキシルとかサインバルタと言った効果のはっきりしない新薬は精神科臨床では使わない(たぶん)。

私は、過去にデプロメールを長期間にわたって飲んでいたことがあると言うのも、躁転した原因の一つなのではないか?と思っています。まあ、単に老化によるものかもしれませんけど。ソラナックスにしろデプロメールにしろ、過去に結構な量を飲んでいるのです。これがアレルギーのように働いていない、と言いきることは不可能です。

開業心療内科とかでは、薬の履歴やそれまでの飲み心地と言ったものをあまりちゃんと調べず、割と簡単に効果の強い薬を処方しちゃうので、危険なんです。鬱病患者が躁転したら、その先にはかなり高い確率で「自殺の実行」が行われるからです。仮に実行されても「うつ病患者、自殺」で終わっちゃう。製薬会社や開業医が責任を問われる可能性は皆無に近いです。

もちろん、殺す気で処方しているわけではなくて、善意で処方しているわけですが、効き目の強い薬と言うのはだいたい副作用も強い。本来、弱い薬から徐々に強めていくのが正しい薬の使い方であって、その辺、医師の勉強不足と言うのは否めない事実だと思います。

その点、臨床精神科であればそういうデータもちゃんと蓄えてますし、治療の主役は薬ではなく休養であると言う大原則を理解しているので、かなり高い効果を見込めます。

たとえば、私はリチウムを飲んでいますが、その血中濃度は至適濃度に至っていません(検査をして分かっています)。教科書を見ると、リチウムは一定以下の濃度ではまったく効果を発揮しないが、一方で一定以上の濃度になると中毒を起こす厄介な薬で、血中濃度を厳密に管理しなければならないとなっていますが、そうされていないわけです。

それは、私自身が(普通の人はまず飲みたがらない)リチウムを飲みたいと言ったと言うこともあり、患者の意思を尊重してリチウムを投与している、しかし病名は厳密には双極性障害ではないと医師が考えていると言うことです。

つまり、薬が効こうと効くまいと、私が元気で暮らせていればそれでいいという基本的な考え方が浮かび上がってきます。これが、精神科医として、あるいは臨床医として、もっともあるべき姿ではないかと思います。なので、私は今の主治医を信用しています。

至適濃度以下の処方は、医学的には無意味です。これ、ホメオパシーと何か通じるものがある気がするのは私だけでしょうか?

なにはともあれ、私は入院前から考えると比べ物にならないほどQoLを向上させています。