隠すほどの爪なら無い

自分自身の、この自我というものが消滅することへの覚悟はできた。苦しみからの開放・・・。だけど、だけどあと少しだけ、続きが見たい…!

【統合医療】咽喉頭異常感症の治療法

私は中学生のころから喉がつかえたような感じを持っています。現代医療の病名で言うと「咽喉頭異常感症」と言うやつなのですが、やっかいな事にコレ、原因不明で治療法はないとされています。

医師によっては「心気症」つまり「気のせいだ」と言い切りいます。確かにCTにも映らないし触診しても他人とさほど差を感じるほどでもない。ファイバースコープで見ても病変は見られない。でも本人は実際に違和感を感じているわけで「気のせい」と言われるのには抵抗があります。

漢方では「半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)」と言うのが効くとされていますのでよく飲んでいましたが、全く効かないとは言わないまでも著効はありません。いろいろ試してみたのですが、これと言った対策がなくずっと困っていました。

長年困っていたのですが、最近原因と治療法がわかりました。

米国などでは理学療法の分野で、筋肉にはグローバル筋とローカル筋の2種類があると言うことが最近言われているそうで、腰痛などの原因はローカル筋の機能不全にあることが多いと言うことです。

グローバル筋は数が少ないですが大きな動作、ローカル筋は力は小さいですが数がたくさんあるそうです。

そして、咽喉頭異常感症の原因は(私の場合ですが)首喉周辺のローカル筋の機能不全によると言うことが分かりました。

現代医学がベースとしている解剖学ではローカル筋の機能は十分解明されておらず、どんなに検査しても「異常なし」と言われることにも合点が行きます。

消化運動などにも連動しているらしく、胃の働きが悪い(私は逆流性食道炎とも言われていますが)時には喉のつまりも憎悪しやすいのです。

治療法ですが、実は精神科臨床の治療メソッドが効果的です。だから、私は精神科の受診を勧めています(心療内科はダメです)。

神田橋篠治先生の本にも書かれていますが、人間は「無意識の運動」をするときに全身の筋肉がゆるむと言われています。

子供であれば、くすぐってあげるのが一番だそうです(これは橋本敬三先生も同じことを言っていますし、野口晴哉先生も同じことを言っています)。くすぐると、それから逃れたくてクネクネと体が無意識に動きますが、この動作が筋肉を緩める効果(=ローカル筋の活性化)があります。

大人の場合、私の場合は日記療法が意外と効果がありました。思っていることを日記帳に書くだけです。これだけで治ることがあります。

ちゃんとした精神科臨床医はカウンセリングを重視しており、場合によっては日記をつけさせる先生もいます。

能動的にローカル筋を活性化させるためには、やはり自力整体と言うことになると思います。「気持ち良さに身を委ねる」と言うことは、つまり無意識の動作をせよと言うことです。

藤平光一先生は「全身の力を抜く」=「氣が出る」とおっしゃっていますが、つまりは意識から筋肉へのアクセスを限りなくゼロに近づけると言うことです。この状態になると、体自身が自然に最も正しい動作を行おうとします。

理学療法の分野でも同様のメソッドが研究されているようなのですが、日本の場合なぜか医師の権限が強いため運動療法などを積極的に行ってくれる病院はまれです。また、整形外科分野には適用されても精神科や他科には適用されることはまずないと言っていいでしょう。そもそも、咽喉頭異常感症が筋肉の動作異常と言う発想が現代医療にはありません。

神田橋篠治先生は精神科医でありながらプロ並みの整体技術を持っておられますし、故橋本敬三先生も内科医(町医者)でありながらプロ並みの鍼灸の腕を持ち、独自の整体技術「操体法」を産み出しました。

真摯な医療の追及は最終的には筋肉バランスひいては経絡や「気」と言ったものに行きつくようです。

現在の日本では「なんちゃって自力整体」を日々続けるのが一般人向けの咽喉頭異常感症の克服法ではないかと、私は思っています。