隠すほどの爪なら無い

自分自身の、この自我というものが消滅することへの覚悟はできた。苦しみからの開放・・・。だけど、だけどあと少しだけ、続きが見たい…!

【統合医療】おなかが痛くなった時

急な腹痛に見舞われることも多い季節ですが、腹痛に対してどのように対処するかを、統合医療的に考えてみます。

まず、下痢をしている場合は下痢止めなどを服用する必要はありません。下痢と言うのは、おなかの中を浄化する作用ですので、無理に止める必要はありません(止めてはいけません)。水分の補充を十分にすれば、下痢で死ぬことはありません。

これは血便が出ようがなにが出ようが同じことです。

病院に行くと腸炎などと診断され、「細菌性かも」と抗生物質を処方されることが多いのですが、私の場合抗生物質を飲むと確実により下痢が悪化します。これは、抗生物質によって腸内細菌が殺された結果です。腸内細菌は微妙なバランスで成り立っていますので、それを乱す抗生物質は腸に問題が起きているときには禁忌です。

ではビオフェルミン等の乳酸菌(善玉菌)を飲めばよいの?となるのですが、経験上ビオフェルミンはそれほど効果がありません。腸内細菌は「ご近所様」で成立しています。そこにジプシーの善玉菌を経口で摂取しても、なかなか根付いてはくれないようです。ビオフェルミンを飲めば腸内細菌バランスが改善されるなら、下痢や便秘で悩んでいる人はいないでしょう。

まあ、私もプラセボ効果を期待してビオフェルミンを飲んでいますが、おおむね気休めと思っていいでしょう。
マクロビの人に聞くと「ぬか漬け」が良いと聞きます。ぬか漬けに付く乳酸菌は「その辺の」乳酸菌ですので、住んでいる人の腸に居付く確率が高いと考えてもおかしくはないと思いますが、実証実験したわけではありませんので何とも言えません。

良くBE80乳酸菌だとか菌の名前でマーケティングしてますけど、その辺の名もない(あるのかもしれないけど)菌、しかも複数の菌がうまく混じり合った菌の方が腸に居付きやすいはずです。

他にも手当法があるわけですけど、一番手軽にできて害がなく効果が期待できるのが「足湯」です。だいたい、くるぶしまでつかるくらいまでお湯(42~45℃)をため、6分程度足をつけます。温度はだいたいなのですが、「辛抱できる限界くらいの熱さ」が良いとされています。

この時のポイントが「さし湯」です。足をつけていると湯温は当然低下していきます。温度を常に42~45℃に保つため、熱いお湯をさし湯します。「足湯なんて効果がない」と言っている人は、大半がこのさし湯を忘れています。

つけた足が真っ赤になっていれば足湯は成功です。すぐに靴下を着て寝ます。

野口整体ではもう一つ、ひざ下までお湯につかる「脚湯(きゃくとう)」も紹介されています。湯温は足湯よりやや低めで行いますが、手順はほぼ同じです。一応、呼吸器系の疾患(風邪など)は足湯、消化器系の疾患には脚湯が良いとされていますが、脚湯はなかなかお湯の量も必要で大変ですから、足湯で間に合わせてしまったりします。

あと、お湯を必要以上に貼りすぎてもいけません。足は甲が急所であり、甲部分にもっとも熱いお湯が来るようにくるぶしまでお湯をつけるとしているわけですので、深くお湯を張りすぎると湯温がぬるくなった分効果も弱まります。

基本的には、体温より低いものさえ食べなければおなかが痛くなることもめったにないものなのですが、この季節アイスとか美味しいですよね。体の声を聞きつつ、重症になる前に手当てをすることをオススメします。皆がこういうことを知っていれば、大腸菌騒ぎもそれほど大したことにならなかったように思います。

以上、簡単な手当法でしたが、肝心なのは考え方なのです。すぐにおなかが痛くなることを「おなかが弱い」とか思っている人はいませんか?

こういう話があります。バスで団体旅行に行って昼ごはんのカニを食べて、帰りのサービスエリアでAさんだけいつまでもトイレにこもってバスに戻ってこない。「いつもAさんは、おなかが弱くてダメね」とほかの人に笑われながら帰ってきました。次の日、Aさん以外の全員が食中毒で入院し、出社したのはAさんだけでした」

これは矢上裕先生の自力整体入門の本に書かれていた逸話です。「悪いものを食べたら気分が悪くなって吐きだしたり、おなかを壊して下痢をしたり」と言うのは、実は「じょうぶな体」なのです。

病院に行くと、下痢をしたりすることは悪いことのように言われるため、自分自身で「自分は腸が弱いのだ」と思い込み、憂鬱な人生を過ごしている人が少なくありません。

神田橋篠治先生や野口晴哉先生も、同様にこのような体のことを「上等な体」と称しております。

にもかかわらず、副交感神経遮断薬(下痢にストッパ~など)などを安易に飲んで体の働きを阻害している人が少なくありません。必要な場合もあるでしょうが、最小限にした方が良いことは言うまでもありません。