隠すほどの爪なら無い

自分自身の、この自我というものが消滅することへの覚悟はできた。苦しみからの開放・・・。だけど、だけどあと少しだけ、続きが見たい…!

科学(医学) vs オカルト 対決の着地点

「バッタもん日記」を読んでいて思ったのですが(というか普段から思っていることが言語化したと言った方が正確)、近年マクロビオティックやホメオパシー、EM菌とかナントカセラピーとかが流行している原因は、科学原理主義(科学至上主義)に対する補償ではないのかなぁ。

平たく言うと科学が日本経済のように行き詰っている。あるいは、科学が行き詰っているから日本経済が行き詰っている?どちらが先なのははわかりませんが、とにかく科学を金科玉条、国策に上げて邁進してきたころに比べるとずいぶんさんさんたる状況になってきてしまっています。

スパコンとか、金かけてるだけで技術革新でもなんでもない。はやぶさとか、新幹線の方が好き。ちょっと気が効いているのは山中教授のiPS細胞くらいか。医療なんて、正直に言わせてもらえればNTTドコモの事を全然笑えない。役所頼み、社会保障頼みでしか経営の成り立たない病院ばかり。高いお金を出して買った検査機器を使わせにゃ損と必要でもない健康な人を検査するだけ。医療の発展もクソもあったものではない。

相場の世界でも、株価が下がると商品先物が上がります。だから、景気がこんなに悪いのにガソリンは高い。貴金属とかはずいぶん高くなっているそうです。中国のレアアースとかの関係もあるのでしょうけども。

それと一緒で、科学が衰退するとオカルトが跋扈する。まあ、跋扈と言うと悪いもののようですが、ユング心理学風に表現するとこういうのを「補償」と言うそうです。まあ、私は河合隼雄先生の字を間違えるくらいなのであまり信用できないかもしれませんが、概念的にはだいたい間違っていないと思いますのでまあ聞いてください。

個人の心理を考えてみた場合、「論理」と「感情」は相反する「心の論理機能」だそうです。ちなみに「心の非論理機能」は「感覚」と「直感」だそうです。これらがX軸・Y軸に存在するのがユング心理学風の「こころ」です。球体状の「こころ」には「意識」という太陽の光が当たる。当たった部分にあるのが「論理」ならその人の心は論理機能が強い。「感情」なら感情機能が強い。

古来、男性は論理的、女性は感情的(最近はそうでもない?)。感情的と言うと悪いもののようですが、ユング心理学では高度に発達した感情機能はときに論理機能を超えるような論理的な判断を行うことが可能なものであると言います。私は男ですので、正直なところこの辺はまだまだ疎いのですが、結婚し子供が出来たことでだいぶ分かるようになってきたような気もします。

非論理的極まりなく見える乳幼児を育てるのに、理屈が向いていない。高度に発達した感情機能こそがこれに向いている。だから女性には感情機能の高い人が多いのです(しかし、最近の女性は子育てを人に任せることが多いので、感情機能の発達が低下している気はします)。

怒っている女性を機嫌よくさせるノウハウとかが最近良く出回っていますが、つまるところ「感情機能」が分かるようにならないとコミュニケーション力もモテ力も上がらない。

論理が弱まると感情が強くなる。感情が弱まると論理が強くなる。つまりムカつくと論理的に考えられなくなる。普段とても論理的なlocust0138さんが私をののしる時のことを見るとわかるはずです。人をののしるのは、感情機能としては幼児レベルです。高度な感情機能はもっと理性的です。怒った女性が取る手段は、もっと残酷で狡猾です。これも高度な感情機能のなせる技かもしれません。

科学とオカルトも多分似たような関係なのではないのかなと思います。ここ数百年くらいは科学が優位に働き人類を発展へと導いてきました。しかし、経済と同じでいつまでもこの傾向が続くと言う保証はないのです。いつか、オカルトが人類を牽引していく日が来るかもしれません。
高度に発達した科学も優れていますが、高度に発達したオカルトもやはりまた優れているのです。ただ、発達の方向性が反対を向いていると言うだけです。

極大の物質の研究も有用なら、極小の物質の研究も有用です。

科学 vs オカルトにしてもそうですし、経済にしてもそうなのです。結局のところ人間の心理と言うものが根底にありますから、なににしても一辺倒で普遍的な真理にたどり着けると言うことはないのです。

量子力学の世界でも「観察者がいて初めて現象が起こる」という理論がありますが、物理学も究極まで突き詰めると「自分自身が観察することが対象に影響を及ぼす」という事を考慮していかざるを得なくなります。同じような視点が、今後の医療や農業にも必要になってくるでしょう。

そういうことを無意識に察知して(というか無意識だからこそ)、マクロビオティックやホメオパシー、EM菌と言ったものが跋扈するわけです。そして、今までの勢いでそういうものは科学の名をもって叩けばいいと思っている科学原理主義者がそれをバカにして叩くわけです。そういう意見にも、それに乗っていれば安心と思っている連中にも辟易とさせられてしまいます。もちろん、あからさまなインチキ医療にも辟易とはしますが。

科学に乗っかっていれば安心と言う向きには、ちょうど、バブルの時に株価が4万円になるとか思って3万円で買ったような、それと同じようなものを感じてしまいます。

それを俯瞰して見て、そういう心理的補償作用なんだろうなぁ、という壮大な視点で観察できる、ユングのような優れた科学者が現代には不足しているのかもしれません。私もそういう風になりたいですが、能力的に無理そうです。

どうか、locust0138さんにその大役を担ってほしいものです。