隠すほどの爪なら無い

自分自身の、この自我というものが消滅することへの覚悟はできた。苦しみからの開放・・・。だけど、だけどあと少しだけ、続きが見たい…!

長崎新幹線は、ありえない新幹線

知人が佐賀県に行くと言うので、長崎新幹線(九州新幹線長崎ルート)の事を調べてみて、ビックリでした。

(テッちゃんを自称するにもかかわらず、だいぶつのこのいまさらさに、ビックリする読者の方々は置いておいて)

博多駅-新鳥栖駅間は、開業済みの九州新幹線鹿児島ルートを使用。

武雄温泉駅-長崎駅間に、フル規格の新線を建設。

新鳥栖駅-武雄温泉駅間は、在来線をそのまま使用。

軌間(ゲージ)が新幹線:1435mm、在来線:1067mmなので、普通の車両では直通できないから、両方のゲージを直通できる列車(フリーゲージトレイン)を作る。

というありえないことになっています。

なにがありえないかと言うと、フリーゲージトレインは未だ実用化された技術ではないのです。

長崎新幹線は2022年開業なのでまだ10年もあるじゃんということなのかもしれませんが、鉄道の技術は安全性の事もありますので一朝一夕に営業運転できるようなものではないのです。

もちろん、それなりの試験は行われているようですが、2022年までに営業運転に十分な安全性を確保できるなどと言ったことは一切保証されていません。

さらに、九州新幹線鹿児島ルートですら閑古鳥が鳴いていると言うのに、長崎まで新幹線が行ったからと言って急激に乗客が増えることはあり得ません。

端的に言うと、フル規格新幹線とするには「輸送容量がぜんぜん少ない」のです。
4人で旅行に行くのに50人乗りのバスを貸し切っているような状態になります。

このため、佐賀県は「無駄」と判断し佐賀県内の新幹線建設を否定しています(なので、在来線のまま)。

このままだと博多から直通できないので、長崎県が苦肉の策で言いだしたのが「フリーゲージトレイン」なわけです。

これは、あらゆる意味で最悪の新幹線になってしまう可能性が高くなってきたようです。

まあ、長崎県は佐賀県もそのうち折れてフル規格にするだろうと高をくくっているのかもしれませんが、博多までの距離が近く時間短縮効果がほとんど見込めない佐賀県にとっては、本当に意味が無いのです。

長崎県民の多くにも意味が無いらしく、長崎県民の大半も反対しているそうです。県民から県知事にも長崎新幹線は要らないのでやめてくれという陳情がよくあるようです。

まあ、よくぞここまで利権のために無理を押しとおしたものだよなと悪い意味で感心しました。

個人的には、というか普通の感覚で言うと、長崎駅-武雄温泉駅間の高架新線建設による準複線化で十分じゃないかと思います。

現在、長崎本線の一部区間は単線で線路容量がいっぱいいっぱいだと言うのは事実だそうです。

ならば、複線化するだけで十分なわけです。これで、特急列車もかなり高速走行できますので、博多までは10分以上の短縮となるでしょう。