隠すほどの爪なら無い

自分自身の、この自我というものが消滅することへの覚悟はできた。苦しみからの開放・・・。だけど、だけどあと少しだけ、続きが見たい…!

【統合医療】分かりやすいトンデモ叩きは偽物である

「はてな」というインテリ(死語)が集うサイトがあります。

そこでは、日常的にトンデモ叩きが繰り広げられています。トンデモを叩くと称賛の嵐です。トンデモとは、「とんでもない」の略語で、「常識から考えてありえない」というような意味です。

「はてな」というサイトでは、その記事を読んで感心したり納得したりした人が「B!」というボタンを押すとブックマークできるとともに、そのカウント数が公開されるという仕組みがあります。

まあ、facebookの「イイネ!」みたいな感じのボタンです(本家は「はてな」という説もある)。

トンデモない医者とか医者まがいのことをしてカネモウケしているような香具師には私ももちろん敵意を感じます。
これを叩くことにある種の快感があることは分かりますし、それに同意して「B!」ボタンをたくさんのしてもらえたらもっと快感を味わえることも分かります。

しかし、よく眺めているとあることに気付きます。叩かれているのは、とても分かりやすいトンデモだけなのです。そりゃ、誰が見てもとんでもないと思うからこそトンデモって言うのだから、当然なのかもしれません。

でも、それってどうなの?って思います。もっと、分かりにくいトンデモを叩くべきなんじゃないのかな、と思います。特に、素人ならともかく医者を名乗るほどの方であれば、戦うべき敵はもっと高いステージにいるんじゃないのかな、と思うわけです。

いうならば、ドラクエでレベル50になってスライムを倒してばかりいるようなプレイをしているように感じるのは、私だけでしょうか。(余計分かりにくいか)

まあ、そんなの個人の勝手なんだから放っておいてと言われるとは思うのですが、かすかな希望を基にあるとても分かりにくい「トンデモ」を晒しますので、腕に自信のある方は是非叩いていただきたい。

低周波音トラブルの多くは誤解トラブル
さて、この中野環境クリニックの中野有朋さんという方は、医師ではありません(中野環境クリニックというのはコンサルタント事務所のようなもので病院でもありません)。彼は、騒音・振動の問題を扱う工学者です。したがって、医学に対する知見はありません。

低周波音による被害とデータについては、和歌山県の医師汐見文隆先生が1970年ごろからさんざん収集しまとめており、これが権威というか、これ以外に信用できるデータはありません。中野氏は、厚労省かどこかが、この「政府にとって都合の悪い」汐見医師のデータを捻じ曲げるために擁立した、まさに御用学者です。

(悪名高い、環境省の定めた「低周波音の参照値」の制定にかかわったメンバーかもしれません)。

さんざん、トンデモを叩いてきたNATROMさんあたりなら、上記のPDFの1ページ目を見た時点で「トンデモ」独特の臭いをかぎわけることでしょう。

中野氏は、「誤解の根本原因は1~100Hz が低周波音であるという誤り」と断じます。

これはまったく意味のない主張です。というのは、中野氏はこの中で以下のように主張しています。「低周波音とは周波数がおよそ20~100Hz の範囲の耳に聞こえる低音のことである。」

これだけをもって、1~100Hzの低周波音が原因である、と低周波音被害者が主張したとしているのが間違いだと言うのです。

もともと、被害者の主張は1~100Hzの「空気の振動」が被害の原因というものであります(ちなみに、最新の汐見医師のハンドブックでは「主に0.1Hz~50Hzに卓越周波数をもつ空気振動」とされている)。「耳に聞こえないから被害もない」という主張にも根拠がありません。耳に聞こえなくても空気振動である以上エネルギーは持っているのだから、何の影響もないとする方が不自然です。目に見えない紫外線や放射線は人体に影響を与えないでしょうか?

何より、この論文は冒頭において「あなたたちは1~100Hzを低周波『音』と言っているけど、1~20Hzは耳に聞こえないんだから「音」じゃないし「低周波音」でもないよ。だからあなたたちの主張は間違っているよ」という、しょうもない揚げ足取りから始まっているわけで、この時点で論文全体の信ぴょう性を疑わせるには十分です。

まあ、水俣病やら川崎病という公害裁判が行われていた時でも、このような詭弁がまかり通っていたことは想像に難くなく、結局はカネなのかなという気もしてきます。

本当に正義感のある医師なら、こういうテーマに是非取り組んでほしいものです。「上医は国を医す」です。