隠すほどの爪なら無い

自分自身の、この自我というものが消滅することへの覚悟はできた。苦しみからの開放・・・。だけど、だけどあと少しだけ、続きが見たい…!

「少子化対策」という曖昧な問題提起

3歳の子供を連れて、子供向けテーマパークなどに行くと、同じような歳と思しき子供たちがうじゃうじゃいます。
うちは一人っ子なんですがスタンダードは2人以上みたいで、一人っ子を連れている夫婦というのは割と少数派です。という感じで、肌感覚としては「少子化」とか言っているけど、ホンマかいな?多子化の間違いじゃないのかいな?とか思ったりします。

一方で、国が打ち出している少子化対策というのはすべからく「子供を産ませる」というところに終始しています。最近では女性手帳とかが話題になっていますが、一方で待機児童問題は解決する見込みがまったくありません。

で、この「少子化問題」には2つの側面があると言う事に気付きました。

1)純粋な若年人口減少を問題とするもの

2)乳幼児の子育てに関する社会保障のようなものの不整備

よく「少子化して何が問題なんだ」と吐き捨てている人を見かけます。これは、1)の観点からだけとらえれば、ある意味正論です。労働人口が減るという問題はあるにしても、一方ではITの進歩などによって業務効率が改善しているわけですから、労働人口が減っても何の問題もないかもしれません。

これが問題になるのは、おそらく社会保障つまり年金の面においてでしょう。今の国民年金は「収めた年金はすぐ今の受給者に支払われる」という自転車操業方式で賄われています。なので、納付人口と給付人口のバランスが一定を下回れば当然破綻します。というか、現時点で破綻することは明白なのですが、官僚や政治家は「自分が在任中に破綻というのは避けたい」と思っていますので、なるべく後にずらしたいと考えています。

なので、ちょっとでも年金破たんが先送りにできる出生率の上昇は彼らにとってはメリットがあるのです。

しかし、この少子化問題の厄介なところは2)の問題がセットでついてくることです。

現状、国は待機児童問題を解決しようとは思っていない様に見えます。これは至極簡単な話で、保育所の運営にはすごくカネがかかるわけです。そこで「育児休暇3年」とか荒唐無稽な政策が提案されているわけです。

1)の問題意識は、つまるところ将来的な労働人口の増加=税収の増大を狙ったものです。日本の社会保障はほぼパンクに近い状態です。それをさらに圧迫する待機児童ゼロなどの政策を国が推進するわけがありません。

このように、少子化問題と一口に言っても2つの側面があり、議論が複雑化しているように見受けます。