隠すほどの爪なら無い

自分自身の、この自我というものが消滅することへの覚悟はできた。苦しみからの開放・・・。だけど、だけどあと少しだけ、続きが見たい…!

政府が企業に「賃金を上げろ」ということについて

この前、赤旗で「ワタミが、一部上場企業にもかかわらず、最低賃金スレスレで人を雇っている!」というような記事が取り上げられ、国会でも共産党議員が阿部内閣に物申すという場面がありました。

何か気持ち悪い気がしたのでネガティブなコメントをつけたのですが、そのコメントにネトサヨの人が絡んできて気持ち悪い思いをしました。

冷静に考えればすぐわかりそうなものなのですが、政府が企業に賃金を上げろと言って賃金が上がるなら、低賃金の問題は起きえませんし、失業者はすべてことごとく雇えと言って企業が雇うなら、失業問題なんて起きません。そんなことが可能なら、政治家とか経営者ってなんてお気楽極楽な仕事かいなと思います。

現実を見ずに理想論しか唱えない(最近理想論ですらないが)共産党らしいといえば、それまでですが。

単純なトレードオフで考えればわかりますが、最低賃金を上げれば当然失業率も上がります。企業が人件費として負担できる金額には上限があるからです。あなたが、10人がかりで100万円を稼いで、あなたが分配を任されたとします。あなたは皆同じ程度の働きだから、10万円ずつ配ろうと思いました。しかし、一人が「10万とはけしからん!20万よこせ!よこさねば殺すぞ!」と言われたらどうするでしょうか。

殺されるのは嫌なので、自分か、ほかの誰かに泣いてもらって、その人に20万渡すしかありません。これで、「もらった人の平均金額」はちょっとアップしましたが、「もらった人数」は10人から9人に減ったことになります。

1人は20万円もらってホクホク。でも1人は0円でタダ働きです。これはつまり、格差社会です。共産党は平等を目指す党ではなかったのか。これでは党の目標とあべこべの主張をしていることになってしまいます。

共産党はむしろ、最低賃金を下げる、最低賃金制を撤廃することによって、雇われない人を減らす努力をすべきなのです。

経済のけの字もわかっていない、共産党に経済的なことを語られても、片腹痛いとしか言いようがありません。彼らは、1世紀以上前に破綻しているということがわかっているマルクス経済学を、いまだに信じているような輩です。

上場企業が市場からお金を集めたからとて、なんで賃金を上げなければならないのか。こんな論理的に明らかに破綻しているようなことを言い出すのは、元から完全に破たんしている(カール・マルクスの夢想論にすぎない)マルクス経済学なんかをいまだに教科書にしているからでしょう。

企業が市場からお金を集めてせねばならないことは、ひとまず利益を上げることです。利益を上げないことには、従業員にも、株主にも、分配ができません。

従業員には賃金、株主には配当という形で分配をします。企業によってはストックオプションという形で、従業員に分配している会社もあります。

利益を上げてもいない企業が、むりくり配当を増やしたり、給料を上げたりしたらどうなるでしょうか。その先に待っているのは原資の不足、そして破綻です。口先介入でワタミに最低賃金を無理に上げさせ、そしてワタミが破たんしたら、その従業員や取引先、株主が困るわけですが、その時共産党は責任をとるんでしょうか?

生活保護を受けさせるノウハウくらいは教えてあげるのかもしれませんが、そもそも生活保護の原資である税金も、企業が稼ぎ出した利益に端を発しています。企業が利益を犠牲にしても、だれもトクはしないんです。

企業がどんどん破綻したら、最低賃金どころの騒ぎではなくなります。従業員も困りますし、その企業の取引先や、サービスを受けていた客も困ることになります。四方みな困るわけです。

なので、上場企業としての使命としては、第一にいわゆるBCP、事業を可能な限り持続させることなわけですね。そして第2に、企業としてのサービスをコミットメントすることなんです。

会社約款に書いてある、本来の目的(実業)をきちんと続けて利益を出し続けていくことこそが、企業の使命なんですね。

企業はATMではありません。打ち出の小づちは、共産党員の脳内にしかありません。