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隠すほどの爪なら無い

自分自身の、この自我というものが消滅することへの覚悟はできた。苦しみからの開放・・・。だけど、だけどあと少しだけ、続きが見たい…!

本人裁判のコスト

裁判をするのは意外と敷居が高いです。裁判にどれくらいコストがかかるか、知らない人も多いと思いますので、簡単に書いてみます。

1)膨大な書面を用意する必要があり、それにかかる時間も青天井です

裁判は、書類によるバトルです。「逆転裁判」のように、裁判所で証拠品を出したり、ボイスレコーダーを再生したりということは、基本的には民事裁判の第1審ではありえません。
証拠はすべて書類で提出します。いわゆる書証(しょしょう)です。内容は、立証しようとする内容によっても変わってきますが、数十ページの書類を用意するのが一般的です。
同じものを3部用意し、1部を裁判所に、1部を相手(原告 or 被告)に渡します。原本は自分です。裁判は、まったくIT化されていません。すべて紙ベースです。メールなどもプリントアウトして提出します。自分が単純にプリントアウトした場合、証拠能力は下がります(改ざんできるからです)。インターネットアーカイブなども証拠として提出したい場合はプリントアウトです。カラーか白黒かは証拠能力に差は付きません。

証拠として一番よく言われている「証言」、要は人の記憶に基づいた証拠を「人証(にんしょう)」といいますが、これも最終的には書証にします。証言の内容を記した用紙を作り、署名捺印してもらいます。普通は、弁護士、最低でも行政書士に作成してもらい、事務所のはんこを突いてもらいます。そうしないと、勝手に偽造できるからです(弁護士や行政書士はそういうことをすると職を失うので、その分信用が高いのです)。この費用は、行政書士で1ページ1万、弁護士だと3万~5万します。

たとえば、不良建築裁判とか、医療裁判の場合。不良建築なら建築士がサインしたもの、医療裁判なら医者がサインしたものを提出しないと証拠能力はほぼゼロになります。無論、建築士なり医師にお金を払う必要があります。ついでに言うと、医師(病院)はこれをすごく出したがりません。診断書ひとつでも、「裁判に使う」と言っただけで出なくなることがままあります。

200ページの書類を最終的に提出したとした場合、プリントアウト代として1ページ10円として200x3x10=6000円かかります。私は会社でプリントアウトしていましたが、このような離れ業ができない場合馬鹿にはできない出費となります。

書類作成も、自分ですればもちろん費用はかかりませんが、書類作成に時間がかかればお金をかけたのと変わりません。弁護士に委任するのは、法律の専門家であるということよりむしろ、自分の時間を節約するためであると考えるべきです。

2)訴状には印紙が必要、予納郵券というのも必要

訴える側は、裁判所に提訴するために費用がかかります。訴状には訴額に応じた収入印紙を貼ります(張らないと受け付けられません)。私は訴額140万円で12000円の印紙を貼りました。訴額が1億円だと30万円以上の印紙が必要です。プラス、4000円程度の切手を一緒に提出します。切手は、使われなかった分は帰ってきますが、微妙な金額ばかりなので郵便局を設けさせるためとしか思えません。通信費として5000円くらい現金で預託するようにすればいいのにと思います。

3)毎月1日(平日)、出廷しないといけません

口頭弁論というのが毎月開かれます。毎月と決まっているわけではなく、大体4週ごとに1回です。都合が悪いと日程調整を依頼できますが、あまり遅らせるのはもちろんだめですし、好きなように変えられるわけではありません。曜日は裁判所の都合で決まるので、変更不可能です。土日はやっていません。裁判って本当、サラリーマンには縁遠い制度です。私は毎月有休をとって計6回、口頭弁論に行きました。交通費は当然、自損自弁です。
証人などを呼んだ場合は出廷費用を原告ないし被告が負担することがありますが、原告自身・被告自身の出廷は裁判費用とみなされません。どんな遠隔地の裁判でも、交通費も出ません。当然日当も出ません。
営業職で業務中にいける以外のサラリーマンには有休をとって出廷するか、弁護士に委任するかの2択しかありません。賃金にもよるでしょうが、1日1~2万円くらいの出費に相当するでしょう。

これらを総トータルすると、まあよほど暇な人を除けば実質140万円の裁判で10万程度の費用はかかっている計算になります。弁護士に委任すれば、30万+出廷費用などの実費+成功報酬です。140万円満額取れれば2割の成功報酬で28万円です。総トータルは70~80万円くらいになるでしょうか。手元に残るのは50~60万円。これ、満額勝訴でですよ。一部勝訴とかだと厳しいですよね。

まあ、実際に出廷した人間からすると、弁護士にとって50~60万円という報酬はそれくらいもらわないとやっていけないくらいの金額だと思います(これ以下だと勝訴のために必死になれないでしょう)。

満額勝訴すれば訴訟費用を取り返せますが、上記のとおりせいぜい数万~10万円で、なおかつ別途債務名義を取得しないといけないので、請求しない人も多いと聞きます。

弁護士への成功報酬は「勝訴した時点」で発生し、「回収した時点」ではないことも割とポイントですね。

なので、弁護士案件は大体訴額に「精神的慰謝料」とかで上乗せしているケースが多いです。弁護士費用を相手には請求できないからです。無論、その損害の立証責任は原告にあるわけで、たくさんの証拠を提出しなければならなくなるわけで、さらに訴額がアップする要因になったりします。

うーむ。裁判するというのでにわかで借りてきた「民事訴訟の基本」みたいな本で勉強した知識なんで、かなり適当ですね・・・!