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隠すほどの爪なら無い

自分自身の、この自我というものが消滅することへの覚悟はできた。苦しみからの開放・・・。だけど、だけどあと少しだけ、続きが見たい…!

生活保護のプリペイドカード支給について


生活保護費のプリペイドカード支給では、生活保護利用者の行動は改善できず、不正受給対策もできない(みわよしこ) - 個人 - Yahoo!ニュース

大阪市が生活保護の一部をプリペイドカードで支給する社会実験をしようとしているわけですが、そんなことをされてはたまらんという人たちが猛反対です。

彼らの言うことはだいたいいくつかのパターンに分類されるのですが、それぞれにおいて全く説得力がないことを検証してみます。

「カード会社が儲かるだけでいいことがない!」を斬る

「カード会社が儲かるだけだ!」「三井住友がバックにいるなんて陰謀に違いない!」というムチャクチャな陰謀論は、貧困層(=頭も弱い)人たちにはすこぶる受けがよいようです。

そもそも、カード会社が会社の目的である「金銭決裁業務を円滑にする」という業務を遂行し、それに対する対価を受け取る事がなぜダメなのか?私には全く理解できません。というか、それがダメなことなら世の中にカードを使っている人なんていないってことになりゃしませんか?私は中産階級ですが月間支出の8割以上はカードです。なぜならそのほうがトクだからです。

カード社会でカード会社が私腹を肥やしているように思うのはおかしいですね。JR東日本がSuicaを導入して、改札がとっても便利になりました。自動改札機の製造や決済システムの開発など、少なからぬ投資を払っていますが、運賃が1円でも上がったわけではありません。改札や券売機での現金扱い額が減ればその分省力化され、コストも下がるからで、実際JR東日本はSuicaで大成功して大儲けしています。一方で利用者は便利になるわ料金は変わらないわ(グリーン券や新幹線のチケットレスなど一部では値下げすらしている)いいこと尽くめです。Win-Winです。

貧すれば鈍する、というのでしょうか。貧困層の方は頭も弱いのかもしれません。

生活保護を現金で支給するのに、コストがかかっていないとでも思っているのでしょうか?銀行振り込みでも、振り込み手数料を取られます。東京では税金をカードで払えますが、地方では現金払いが当たり前、使えても郵貯だけとかです。だから感覚が理解できないのでしょう。カード会社が決済システムを利用させて手数料を取るのは当たり前のビジネスですし、そのシステムの構築維持に金がかかっていないわけではありません。手数料率は現在3%程度といわれていますが、上記のデビットカードではおそらく1%台の手数料になるでしょう。正直、これはボランティアに近いです。

田舎ではクレジットカードによる税金支払ができず、指定銀行からの振込みだけというところがままあります。手数料がかかるからです。一方、進んでいる地方自治体ではクレジットカードでの支払を受け付けています。手数料がかっても、それ以上に税金の徴収率が上がってペイするためだそうです。

本件で「クレジットカード会社が儲かるだけだ!」などという陰謀論をぶちまけている人は、「貧困脳」になっていますので反省してください。

「家計の収支を把握して自立を助けるはカードにはできない」を斬る

自立を助けるまでは言いすぎですが「家計の収支を把握する」ところまでは、カードを使えばできます。現在、中産階級でもカードの電子明細書を利用して家計簿を自動化する人が増えてきています(無料の家計簿アプリ・クラウド家計簿ソフト|マネーフォーワード)。税務申告すら自動化しようという人が増えてきています(会計ソフト「freee(フリー)」 | 全自動のクラウド会計ソフト)。

確かに、まず都道府県議員や市町村議会議員の収支を透明化しろよ、という話にはある程度同意できるのですが、カードを使って収支を透明化することができるというのはある意味当たり前のことですので、これを否定する人は本当にわかっていない人なんだな、貧困脳の人なんだなと思わずにはいられません。

「入るを図り出ずるを制す」という会計学の基本的な考え方があるのですが、貧困層の人はこれができていないから貧困になってしまったんではないでしょうか?もちろん、外的要因(低賃金)もあるでしょう。しかし、お金のことを知らなさ過ぎるというのも原因じゃないのでしょうか?現に「クレジットカード会社が儲かるだけでいいことがない」ということを、会計の基本も知らないくせにのたまっているわけです。

カードにできるのは上限を切ることだけだ、とか言っているわけですけど、マネーフォワードを使えば自動で費目を分類、月別に円グラフで何にどれくらい使っているかまでわかるようにできます。自己破産で免責を受けたい人がこういう資料を作るそうですが、会計士に監査を受けるわけじゃない(裁判官はまず会計士の資格を持っていない)ので適当でも免責されちゃうそうですね。カード会社が自動で作るグラフではそういうごまかしが効きませんから、イヤですよね。

「プライバシー権を侵害するは、みんなイヤでしょ」を斬る

むろん、誰しもみだりにプライバシーを侵害されたいなどと思ってはいません。

しかし、大きな勘違いが「カードで決裁したらプライバシーだだ漏れ」ということです。私は何年もカードを使い続けてきていますが、プライバシーが漏れたことなど一度もございません(ベネッセとか、ヤフーとかからは漏れたけど、カード会社から漏れたことはただの一度もない)。本当ですよ。

「自分のお金を使いたいように使って何が悪い!」はい。その通りです。でも、生活保護は「自分のお金」じゃないですよね?税金ですよね?県議会議員ですら、税金を適当に使っていたらマスコミにたたきまくられる時代です。生活保護費はあなたの稼いだお金じゃないのです。税金なのです。労働の対価ではないのです。恵まれたお金なのです。

そこのところに大きな勘違いがあります。

プライバシー権とは別に「知る権利」というのがあります。難しい言葉で言うとアカウンタビリティ(説明責任)というのがあるのです。生活保護費は税金です。だから、その使い道は税金の負担者に対して説明する義務があるのですよ。これは、別に生活保護受給者に対してだけではないです。県議会議員の政務調査費についても、同じことを求めます。「城崎に年間360回行きました」。それで納税者が納得したでしょうか?

なにも、100%つまびらかにしろなどと言ってはおりません。単に、「食費に○○%、家賃に○○%、被服費に○○%・・・」くらいがわかればいいわけです。税金を使うわけですから、その使途くらいは明確にしなければなりません。このアカウンタビリティを「プライバシーの侵害だ」で拒絶できるくらいなら、あの県議は号泣していないでしょう。

「過度な飲酒やギャンブルに対して、管理は火に油」を斬る

私の父もアルコール依存症で、私は家族会や断酒会にも何度も参加した事があります。その時思ったのが、ケースワーカーは無力である、ということです。

依存症というのは、病気です。病気なのですから、資格を持った医師に見てもらう必要があります。しかし、日本では精神科医というのは小児科の次くらいになり手の少ない分野で、常に不足している現状があります。

依存症は、その他の精神障害と同様それぞれ背景が異なり、医師に要求される力量はハンパなものではありません。私のかかったスーパー精神科医は、3時間程度のカウンセリングの上、私が小学校時代のときの話まで聞いてくれました。しかし、私のようなスーパー精神科医に出会える確率は、今の日本ではきわめて低いといえるでしょう。

それを補うためのケースワーカーなのでしょうが、所詮は一般人で依存症の知識も生半可です(この記事を書いた人のように)。自分の経験ありきで語る人が多く、ユニバーサルに深掘したカウンセリングができません。悪いのにあたると、それが原因で自殺する患者も少なくありません。

で、中途半端なケースワーカーを量産するよりも精神科医をもっと増やすべきだと思うのですよね。でも、それでも数は全く足りないわけです。で、次にやるべきなのが「トリアージ」です。「手遅れの患者」は、金をかけても仕方ないので見捨てます。「助かる見込みのある患者」に力を注ぎ、助ける。そのためには終始の傾向からギャンブル依存やアルコール依存の傾向を事前に察知する「トリアージ」が必要になってまいります。

そういう意味でも、今回社会実験しようとしているシステムはたいへん興味深いと思っています。むろん、私が期待したとおりの成果を上げない可能性もあるわけですが、現時点で「意味がないと分かりきっている」などと斬って捨てている人は、おそらく「貧困脳」で何も考えていない、ということだけは断言できます。

 「現金化ビジネスが流行る!」を斬る

ほんとにもう、頭弱いのも大概にせいよと思うのがこれです。30年前のマチ金レベルの知識です。こんなので儲かったら誰も苦労しまへんよ。

5~10年ほど前、カードのポイント制度を逆手にとって、カードのポイントで設けてやろうという連中が大量に湧いて出た時代があります。そして「金権を購入して売る」というメソッドで現金化し、ポイントだけをゲット!とか言っている人が大量にいたのです。

そして、カードには利用枠とは別に、金権類については購入額を別に制約する事ができる機能がついています。おそらく、今回のカードでは金権類は原則として購入できない仕様となっているでしょう。今回、付与されるのはおそらくIDのついたクレジットカードのようなものです。認証にはパスコードかサインが必要でしょう。これは、紛失すれば当然使えなくできます。

また、悪質な組織に転売してもカードから「足がつく」ので、あまりいい値では売れないでしょうし、一度売ってしまうと再発行しない限り自分は使えないわけですから、再発行してもらわないといけないわけですが、その時に旧カードは使用不可能になります(使おうとしたら警察に捕まるでしょう。だから悪い組織はあまり欲しがらないでしょう)。クレジットカードが売れるなら、カードなんて今でもただで入手できるのですから作りまくって売りまくって儲けている人がいてもおかしくなく、それが現状少なくとも大々的にはできていないのですから、そんなスキームはほぼ存在しないわけです。

それが既存のクレジットカード会社に委託する意味とも言えるわけですが、貧困脳には少し難しかったのでしょうね。