隠すほどの爪なら無い

自分自身の、この自我というものが消滅することへの覚悟はできた。苦しみからの開放・・・。だけど、だけどあと少しだけ、続きが見たい…!

郊外型ショッピングセンター大好き

大都市圏では、地価が下がった影響でしょうか、再開発が進んでショッピングセンターの建設などが進んでいるようです(田舎住民なので実態はよく知りませんが、噂ではよく聞きます)。
それを受けてか、有名なアルファブロガーの「ちきりん」氏が、以下の記事を書かれていました。

「大都市のターミナルエリアは消費のブラックホールへ・・」
特に反論とかではないのですが「尊敬する人はちきりん氏です!」と言うようなネット住民も増えていると言うのに、なんだか凡庸な文章だなぁ、という印象を抱いたのは私だけではないのではないでしょうか。

個人的な感触では、ちきりん氏はどうやら「峠を過ぎた」と感じております。まあ、長いことブログを書いてきて、そろそろ書くことがなくなってきたという説もあるかもしれません。

今回の記事で扱われているテーマは、私が小学生時代(30年以上前^^;)からあった衛星都市化や職住分離(とそれに反対する職住近接思想)の話の焼き直しに過ぎず、いまさら感を感じずにはいられません(と、いまさら感を売りにしているブログ主が言ってみたりする)。

小売店間競争で、大規模小売店が競争有利になるのは経済原理から考えると当然の帰結であり、また、今の時代駅前商店街で物を買うよりイオンで買った方が安心感があるくらいです。

私は長いこと衛星都市である奈良に暮らしているので感覚が違うのかもしれませんが、個人的には駅前商店街はイオンが出来るずっと前からさびれていたと思っていて、刷新・革新を人が求めていたのは、私を含め間違いない事実です。しかし、大阪くんだりまで買い物に行ったりしたくないのもまた事実だったわけです。

そのような潜在需要を汲んで小売企業が郊外型ショッピングモールを(リスクを負って)建設したわけで、「郊外型ショッピングモールが出来たから駅前商店街が廃れた」と言うのはあまりにも短絡的な論理と断ぜざるを得ません。

ちなみに、私の家の近くにある「イオンモール橿原」の顧客の大半は大阪の人です。ナンバーを見ると和泉や堺やなにわと言ったナンバーがヘタをすると奈良ナンバーより多いです。橿原のGDPは、イオンにより明らかに増大されたと言えます。

私を含め、多くの奈良県民にとってこのショッピングセンターは大変好意に受け入れられ連日にぎわっていますし、託児所やカフェテリア方式のレストランなどのコミュニケーションスペース、ユニバーサルトイレなどが完備され、殺伐としがちな衛星都市独特の雰囲気を変革してくれさえするパブリックスペースになっており、今となってはなくてはならないものです。

単なる「小売店」から「パブリックスペース」にまで昇華しえたのは、イオン(ダイヤモンドシティ)の経営努力と英断があったからに他ならないと思います。

それを、単純な「弱者いじめ」みたいな構図でとらえるのは頭の悪い人には受け入れられるかもしれませんが、資本主義を少しでもわかっている人であれば間違っていると言うことがすぐ分かると思います。

もともと、ほんの少ししかリスクを負っていない(駅前商店街だから営業努力をせずとも売れるという既得権益に浸ってきた)駅前の商売人が、大きなリスクを取って新たな「街」を創造しようと言う企業体に太刀打ちできるはずなどありません。あるべき道は「共存共栄」しかないでしょう。

しかし、奈良県では(駅前の地主が時代錯誤の法外な地価を妄信していたせいもあり)駅前再開発行政が長いことなおざりにされてきた結果、すっかり駅前は「住むにも買い物するにも不便な場所」(車を停めるのにお金を取られる)になり下がり、今となっては大手小売店にとってもさほど魅力のない土地となってしまっているので、手遅れかもしれません。

まあ、奈良でも駅前の再開発は超地道に続いていますので、私が生きている間くらいには駅中ショッピングセンターが出来るかもしれません(おお、そういえばJR奈良の駅ビル内にMaxValueが出来たみたいです)。

和歌山に端を発するスーパー「オークワ」も、大型ショッピングモール(スーパーオークワ)を奈良県下に2店舗展開して気を吐いていますが、是非頑張ってほしいと思っています。

地産地消の野菜を扱っていたり地酒を扱っていたり、地元密着型でなおかつ県外からも客を呼べる大型ショッピングモールと言うのは、消費者にとっても大変ありがたいものです。

こういうものが流行って困るのは、昔からの小売店でしょうが、いくら歴史があろうとも営業努力もせず永久に食いつなぐことなど不可能です。もし今の不遇を国の行政のせいであるとか考えている人がいれば、大いなる勘違いであると思います。

あ、ちなみに私は「イオンの中の人」ではありません。念のため。