隠すほどの爪なら無い

自分自身の、この自我というものが消滅することへの覚悟はできた。苦しみからの開放・・・。だけど、だけどあと少しだけ、続きが見たい…!

陸マイラーとPiTaPa

私はICカード乗車券のPiTaPaを愛用しています。
以前から三井住友VISAのプロパーカードは持っていたのですが、三井住友VISAカードのホルダーはネット(Vpass Club)で申し込むだけで子カードとしてPiTaPaカードを発行してもらえます。ちょうど、ETC子カードのような感じです。

さて、PiTaPaの最大の特徴は「ポストペイ」システム、つまり後払いシステムであるということです。PiTaPaを除く、現在日本で使用可能なICカード乗車券は、すべて「プリペイド」つまり前払い方式なので、これは日本唯一のシステムです。
ポストペイにした背景には、関西私鉄の自動改札機に対する投資の事情が絡んでいます。JR東日本が東京地区でICカード乗車券のSuicaを導入し始めたちょっと前、関西私鉄では「スルッとKANSAI」という、磁気カードですべての私鉄の改札を通過できるシステムを導入したばかりでした。このシステムは2枚重ねで投入すれば清算機で清算することなく改札を出れたり、回数券カードと金券カードを重ねて投入すれば自動的に差額を清算してくれたりと、とても高度なシステムでした。
その後Suicaがブレイクしたので関西でもICカード乗車券を導入してほしいという要望が高まってきたわけですが、自動改札機のリプレース期間は平均10年だそうで、それを待っていたら2010年くらいになってしまいます。何とか前倒しで対応するため、極力ハードへの投資を抑える方向で話が進められました。
プリペイド型のICカード乗車券を導入するためには、改札機のみならず自動券売機・清算機などに対してすべて対応する必要が発生します。一方、ポストペイ型にすれば、原理的には自動改札機だけの対応で済みます。ということでポストペイ型が採用されました。

ポストペイ型には独特のメリットもあって、後払いなので1か月分を集計してから請求が発生します。このため、回数券のような「利用量・回数に応じて割引する」ということが可能になります。SuicaやICOCAでは、ICカード乗車券を買っても金銭的なメリットはまったくありませんが、PiTaPaの場合はこの割引があるため金銭的にメリットがあります。

さて、陸マイラーの間ではPiTaPaはあまり評判がよくありません。以前ある陸マイラーの方に、私がPiTaPaを使っていることを告げると「即解約してください」といわれました。それくらい、陸マイラーの方にPiTaPaは毛嫌いされています。
というのは、PiTaPaの利用ではなんとクレジットカードのポイントがたまらないのです。PiTaPaには別に「ショップ de ポイント」というポイント制度があり、そちらにポイントがたまることになっています。
が、交通利用ではこの「ショップ de ポイント」すらたまらないのです。このポイントがつくのは、PiTaPaで買い物できる店や自動販売機で買い物した場合に限られます。しかも、この「ショップ de ポイント」のポイント還元率は激低で、なんとわずか0.1%(10000円で10円相当)なのです。大阪の一部を除いてそもそもPiTaPaで買い物すること自体難しいですし、つまりはPiTaPaを使う上ではポイントはまったく期待できないということなのです。

そういう陸マイラーの方が勧めるのは、「ICOCAをクレジットカードチャージで使う」ことです。
ICOCA自体にはクレジットカードチャージ機能はありませんが(SMART ICOCAを除き)、JR西日本のみどりの窓口では一般のクレジットカードからICOCAへのチャージを行ってくれるのです。JR東日本では自社のクレジットカード(VIEWカード)からしかチャージしてくれないのに、です。東京在住の陸マイラーの方の中には、関西出張のときにSuicaをしこたま持参してきて、JR西日本のみどりの窓口でチャージしていく人もいるそうです。
PiTaPaが使えるエリアではICOCAも使えますし、確かにマイルをためるにはこの方式がいいような気がします。

しかしながら、ICOCAを使うと上記したPiTaPaの利用額に対する割引が使えません。どの程度割引を受けられるのかはホームページを見ただけではわかりにくく、上記したようなPiTaPaを毛嫌いしている方の場合この内容をよく熟知せずにPiTaPaは損、と決めてかかっている人が多いのですが、実はそんなことはないのです。

私は先月、割と多く鉄道を利用しました。大体5000円くらい使ったのです。そして、利用額割引が180円受けられました。
これをICOCAで利用していた場合、マイルは50マイルつきますが、利用額割引はありません。1マイル=2円で換算しても100円相当ですから、PiTaPaのほうが80円得だったということになります。

まあ、わかりにくいPiTaPaの割引システムや、スルッとKANSAI事務局の宣伝が不足していることにも問題の一旦はあるのでしょう。何はともあれ、マイルはたまりませんが金額的に得なPiTaPaを私は当面使うことになりそうです。