隠すほどの爪なら無い

自分自身の、この自我というものが消滅することへの覚悟はできた。苦しみからの開放・・・。だけど、だけどあと少しだけ、続きが見たい…!

【統合医療】個人の反応が異なることはランダム化比較試験が実施できない理由にはならない のか?

NATROMの日記

個人の反応が異なることはランダム化比較試験が実施できない理由にはならない
「個人の反応が異なることからRCTが実施できない」という主張は誤りである。個人の反応が異なる治療でいくらでもRCTが実施されている。このような主張はRCTが必要である理由を理解していないからなされたとしか思えない。個人の反応が異なるからRCTが実施できないどころか、個人の反応が異なるからこそRCTが必要なのだ。個人の反応が同じならそもそも比較試験なんて必要ないじゃん。「治療を受けた人は全員効果がありました」で終わり。同じ治療を受けても効果のある人もいるし効果の乏しい人もいる。個人の反応が異なるのは当たり前。だからこそ、対照群と治療群とを比較する必要があるのだ。
とにもかくにも、RCT(ランダム化比較試験)をやろうと思えばそれはもちろん可能だと思います。

でもそれで有意の結果が得られるかどうかは別問題です。RCT無いしEBMのデザインに沿って出た結論のみが有意の医療と言うことではないはずですから。

もとの議事も私が読んだ限り、RCTが無理なら非ランダム化試験で、それも無理ならコホート研究でと言った文脈であって、統合医療側の勉強不足は感じますが、標準医療側に不足している知見が統合医療側にまったく期待できないこともないようで、ここまでこき下ろすような内容ではないのではないでしょうか。

統合医療側の主張には全般的に不十分な点はあるとは思いますが、NATROM氏の記述に関しては疑問があります。NATROM氏の記述は乏しいか十分かは別として効果はある前提です。私の感覚では、「個人の反応が異なる」と言うのは全く違う反応、つまり腰痛を治そうとして治療をした結果頭痛が起こると言った、そういうイメージです。これを完全に数値化できるでしょうか。

確かに「個人の反応が異なるからRCTが出来ない」という短いコメント自体にはツッコミどころがあるとは思いますが、NATROM氏の感想は少しバランス感覚を欠いていると思います。

効果がないか小さいがゆえにRCTで効果を検出できないだけなのに、個別化治療を免罪符としてごまかしているのかもしれない。
ここまで来るとあまりにうがった見方すぎて、身も蓋もないと思います。こんなことを言われては真剣に統合医療を研究している人がかわいそうです。

医療の発展を真に望まれるのであれば、もうちょっと総体的な見方のできる医療者になっていただけることを期待します。