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隠すほどの爪なら無い

自分自身の、この自我というものが消滅することへの覚悟はできた。苦しみからの開放・・・。だけど、だけどあと少しだけ、続きが見たい…!

内容証明郵便の意味

内容証明郵便は、平たく言いますと普通に「郵便」と考えてもらってよいです。

ひところはかなり制約があったのですが、今では枚数こそ5枚までという制約はあるものの、フォントやフォントサイズ、文字数、レイアウトなどフォーマットは割と自由にして良いようです。ただし、絵などは送れません。

相手に手紙を送るのと同じことなのです。

では、なにが違うのか?郵便局が相手にその内容の手紙をその日に送ったと言う事を、証明してくれることが約束されているのです。そのため、内容証明郵便を送るには3部のコピーをもって郵便局に行く必要があります。そして、郵便局員がそれら3つが同じであることを確認してから送ることになっています。このため、フォーマットや枚数に制限があるのです。

郵便局が相手に送った事を「配達証明」してくれ、なおかつ郵便局内に「コピー」が残されています。相手が「受け取っていない」としらを切ったり、受け取った郵便物を改ざんしても改ざんされていると言う事を郵便局が証明してくれます。

これは、平たく行ってしまうと裁判の証拠に用いるためです。

裁判になるとたびたび出てくる「立証責任」と言う言葉があります。裁判において何かを立証すると言う事は、つまり紙の書類を提出する、と言う事につきます。これを「書証」と言います。

テレビドラマなどで得た裁判の知識しかない人の場合、すぐに「証人を呼んだり」「裁判所の権限で鑑定をしたり」と言ったことを思い浮かべるかもしれませんが、実際には裁判の最終段階になって、事実関係にかなり大きな争いがある場合でない限り、そういったことは行われません。

また、証人尋問(人証)も実際に裁判所に呼んで行う事は稀で、「陳述書」という書面に署名捺印してもらい、書証として提出することが普通です。それに対してむろん、その陳述で不利になる側から疑義があるでしょうが、裁判官がその疑義に「相当性」があると判断しない限り証人を呼んでの尋問とはなりません。

人間は気が変わったりウソをついたりしますが、書類は気が変わったり急に内容が変わったりはしません。契約書や領収証など、写しが取られている書面が裁判上の書類としては好まれます。それでも補えない部分は意見書、陳述書と言った書面提出で補います。裁判所は「事実関係の争いを減らす」のが仕事ですので、わざわざ争いの増えるようなことに「相当性」を認めることはありません。ましてや、法廷での言い争い等を好むはずもありません。

では、人が「意思表示をした」ことを立証するにはどうしたらよいのでしょうか?

たとえば詐欺まがいのエステ券なんかを買わされたとします。「クーリングオフする、解約返金してくれ」と言って、ハイそうですかと返してくれれば普通の会社ですが、普通じゃない会社、ブラック会社の場合口頭では分かりましたとかなんとか適当な事を言って、時間を引き延ばし、「期間切れだからクーリングオフはできません、解約金は100%です」とかいうことがあるわけです。

で、当然業者を訴えることになりますが、あなたがクーリングオフを期間内に意思表示したという証拠はどこに残っていますか?

通話記録を見ますか?もちろん、通話記録は取ろうと思えば取れますが、内容まで記録はされていません。録音していました?その録音がその日付で録音されたことは証明できますか?

仮に裁判となると相当苦しい戦いを強いられることになるでしょう。仮に、何割かを返せてもらえる運びとなっても、弁護士費用で足が出ることになるでしょう。

これが、最初に文句を言った時点で内容証明郵便で解約の意思表示をしていれば、ずいぶん事情が異なってきます。もちろん、悪徳エステ会社が詐欺前提で夜逃げされたらどうしようもありませんが、少なくとも債務名義(お金を返してもらうお墨付き)は取れるでしょう。

内容証明郵便は、つまりその日の時点で、そのような意思表示を行ったことの厳然たる証拠となります。これは、どの弁護士も裁判官も否定しない、ゆるぎない証拠です。

電話でゴチャゴチャ文句を言うのに比べると、10枚も100枚も上手の方法です。

一般的に、自分側が法的におかしいことをしている人は、口頭で煙に巻こうとします。それに対して、同じように口頭で応じていること自体が、既に相手の術中なんです。

相手が口頭で煙に巻こうと言う態度を見せたら、何らかの形で証拠を残すように動いておくべきと言うことです。
その有力な手段が、内容証明郵便なのです。