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隠すほどの爪なら無い

自分自身の、この自我というものが消滅することへの覚悟はできた。苦しみからの開放・・・。だけど、だけどあと少しだけ、続きが見たい…!

福岡は住みやすいのか?

定期的に「福岡は住みやすい」という記事がタイムラインに上がってきます。

今日はこんな記事を見かけました。

私がそれでも福岡市に住み続ける、その魅力を6つにまとめて語ります!住と食のクオリティが高すぎる。
人それぞれ感じ方が違うので否定する気はありません。しかし、40年以上奈良に住んで、福岡に転居したものとしては違和感を感じてしまいますね。

1)食べ物の質とコスパとバラエティー

食べ物がうまくて安い。私はアメリカ西海岸で同じことを思いましたが、福岡の食べ物が安いかというとそこまで安くはありません。大差ないというのが実感です。「首都圏に比べて」と付記するのが正しいと思います。福岡程度であれば、探せばどこにでも同じくらい安くてうまいものが見つかる気がします。また、バラエティーに関して言えば国内なら東京に勝るものはないと思います。もつ鍋も水たきも当然東京では食えます。しかし築地のマグロを福岡で食うことはできません。
ちなみに福岡のマグロはあまりおいしくありません。前に住んでいた奈良では勝浦や白浜のマグロが安価で手に入りましたが、そちらの方が断然うまかったですね。
あと、水がまずい。これは東京もかもしれませんが、福岡は水事情があまり良くなく、水道水のまずさはたぶん全国最強クラスだと思います。水がまずいのですから水を使って作った料理もおいしくなる道理がありません。うちではペットボトル水でご飯を炊いています。

2)街のコンパクトさ

福岡に越してくるかどうか考えている時に、現地の人に福岡は規模がコンパクトなので交通渋滞とかも大したことありませんよ的なことを言われました。どうしてどうして。週末などは大変な交通渋滞です。それは、福岡市から一つ南の春日市の近辺まで、かなり広いエリアにわたって起こっています。
この記事を書いた人は車に乗らないようですが、なぜこんなに車が多いかというと電車だけではどうにもならないからです。福岡の縦移動の動脈といえるJR九州の鹿児島本線は、遅れずに来る方が珍しいというくらい頻繁に遅れています。それでも現地人は何も文句を言わない。慣れているのです。博多から湯布院まで、電車だと3時間かかりますが、車だと2時間弱で付きます。高速バスも頻発しています。心もとない鉄道事情を補完するためバスが発達していますが、それが交通渋滞の要因にもなっています。
また、福岡以南の県、つまり熊本や鹿児島には本当に何もないらしく、週末には車でそれらの県民が博多に押し寄せます。九州は高速が発達していてなおかつ料金も安いのです。
天神も博多もですが、コンパクトすぎてこれらのトラフィックをさばき切れていません。このため、慢性的な渋滞に悩まされています。PM2.5が多いのは、中国由来ばかりではないようです。

3)空港への/からのアクセス

福岡空港へのアクセスが大変いいのは周知の事実です。都心部から地下鉄一本です。しかしこれで恩恵をこうむるのは、旅行者だけではないでしょうか?普段住んでいる人にとってみれば、空港方面は都市の発展の妨げでしかありません。航路にあたる福岡市・春日市・大野城市・筑紫野市などは慢性的な飛行機の騒音に悩まされています。
また、アクセスがいいと言っても博多駅での地下鉄の乗り継ぎは遠いですし、地下鉄福岡空港駅からターミナルへのアクセスも良いとは言えません。また、国際線ターミナルには駅すらありません。
西鉄バスが空港アクセスバスをたくさん走らせていますが、普通の路線バスのような車両で大きな荷物を持って乗るのには向きません。旅行者が大荷物ということを考慮した場合、とても「アクセスがいい」とは言い難いでしょう。
では車でと思うのですが、福岡空港は地方田舎空港のくせに駐車場がバカ高く(関空の倍以上する)使えたものではありません。結局不便なアクセス路線を使わざるを得ません。

4)適度な人の密集度

2)とかぶりますが、人は確かに少ないです。しかし、「人が集まるところ」(例えばショッピングモールやテーマパークなど)が少ないため、そこに劇的に人が集中する結果となり、瞬間局所的な人口密度は逆に東京より高いのではないでしょうか?

5)都市も自然もすぐそこ。九州各地の温泉などにすぐ行ける

騙されがちなのがこれですね。都市は都市といえるような立派なものじゃないし、自然も自然といえるような立派なものじゃないのが福岡の特徴だと思っています。東京でも奥多摩地方などの方が立派な自然じゃないでしょうか?私が奈良に住んでいたころはよく吉野や大宇陀という地方に行きましたが、本当に自然で田舎です。九州は夜空を眺めても本当に星の数が少ない。七つくらいしか見えないんじゃないですか(笑)。都会の悪いところと田舎の悪いところを併せ持ったところだと思います。
温泉もこちらに住むまではいいイメージがあったのですが、源泉の質はともかくとして、こちらの人には「温泉を大事にする」という感覚が極めて希少です。
温泉というのは、維持管理に結構手間がかかります。しかし九州には労働人口が少ないので、この維持管理ができません。コスト的な問題もさておき、人手がない、ノウハウがない、結局楽な循環塩素投入になってしまいます。一度循環塩素投入に味をしめた温泉経営者が掛け流しに戻ったという例は聞いたことがありません。たばこと同じで、一度やるとやめられないのかもしれません。
別府を除く老舗温泉はほぼ全滅と言っていいんじゃないでしょうか?この記事を書いた方は、この惨状を知っているのでしょうか。

そういうニーズをかぎ取ってか、九州出身者以外の人による九州温泉変革がちょっとづつですが進んでいるようです。行きつけの温泉「アマンディ」は関西出身の人が経営しています。もうすぐ、近所に栃木出身の人が「掛け流しにこだわった温泉」を作るそうです。ちょっと楽しみにしています。

6)女の子がかわいい

これは、事実だと思います。しかし、実はこういう説もあります。九州の男性は、みな似たような顔をしているんです。
なので、(相対的に)女性がかわいく見える、というのがあるかもしれません。
うちの息子は、どこからどう見ても男の子の格好をしており、短髪なのですが、こちらに来てからしばしば女の子に間違えられます。

どちらか選べと言われたら、迷わず東京に住むでしょう。私は。

で、思うんですけど「福岡やっぱいいぜ」って言う人は大抵福岡出身なんですよな。
どこかからやってきて「福岡いいやん」って言う人をあまりみたことがない。というか、たぶんいない。本土人は、菅原道真のように泣く泣く転勤させられた転勤族しか見たことがないです。メインストリームがそういう転勤族(=いやいや住んでる人)なんで、改革もあまりおこらない。こっちの人はあんまりちまちま改革する感じじゃない。電車が遅れても怒らないもん。「カイゼン」という概念があまりない。
ま、ロサンゼルスにも日本人村があるように、こちらにも本土人のニーズはあるんで、上述のアマンディみたいな本土人の本土人による本土人のための施設が九州にぼちぼちできていくだろうとは思いますけどね。