隠すほどの爪なら無い

自分自身の、この自我というものが消滅することへの覚悟はできた。苦しみからの開放・・・。だけど、だけどあと少しだけ、続きが見たい…!

パニック障害を治す(栄養療法)

私は2000年12月より、パニック障害・うつ病などの名目で心療内科に通っていましたが、一向によくならないため、2006年9月に東京メディカルケアセンターに行き、栄養療法を開始しました。それと前後して抗うつ剤の完全断薬を行ないました。

今日はパニック障害に対する、栄養療法というアプローチでの治療について、記載します。

パニック障害の多く(統計データはありませんが)は血糖調整異常によるものであるといわれています。つまり、高血糖が問題となる糖尿病の反対で、低血糖症といわれる疾患が原因であるといわれています。

低血糖症の患者には、すい臓などの内分泌系の機能に異常があり、食べ物を食べた後に血糖値が急激に上昇した後急激に(必要以上に)血糖値が低下したり、食べ物を食べても十分に血糖値が上昇しないといった症状が見られます。

脳は100%のエネルギーを糖分によってまかなっている臓器です(他の臓器は脂肪もエネルギーにできますが、脳は糖分しかエネルギーにできません)。

その「脳のガソリン」である糖分が、血液中に十分ない状態(=低血糖)になった場合、通常であれば立ちくらみなどの症状が現れますが、それと前後して副腎よりアドレナリンというホルモンが分泌されます。アドレナリンは、肝臓などの酵素を刺激してグリコーゲンを分解させ、血糖値を上げる働きがあります。

これにより血糖値は上昇し脳はエネルギー切れの憂き目から脱出できるのですが、このアドレナリンは「興奮ホルモン」であるため、脳に働きかけさまざまな症状を引き起こします。たとえば漠然とした不安感や、心拍数の上昇、冷や汗をかくなど、パニック障害の方にはおなじみの症状を引き起こします。

つまり、パニック障害の正体は血糖調整異常なのです(注:血糖調整異常によらないパニック障害も一定数は存在すると思われます)。

私の記憶を振り返ってみると、ご飯をドカ食いとか早食いした後1~2時間くらいにパニックが出たことが多く、上記の説明は非常にしっくりときます。

この症状から脱却するためにはどうしたらいいのでしょうか?

答えは簡単で、血糖値を乱高下させるような食事をしなければいいのです。

しかし、「低血糖なのだから糖分の多いものを取ればよい」という考えは間違っています。血糖調整異常なので、血糖値を激しく上昇させるようなものを取ってはいけません。血糖値をゆっくりと上昇させるような食べ物を食べるようにするというのが正解です。

たとえば、東京メディカルケアセンターの指導によると、

  • 甘いジュースは飲んではいけません(100%果汁もダメ)。スポーツドリンクは特にダメ。
  • コーヒー・紅茶などカフェインのある飲み物は飲んではいけません。
  • アルコールを飲んではいけません。
  • 白米・白パンなど精製された穀類を取ってはいけません。
  • 甘いお菓子・・・論外

ということになっています。
逆に言うと、飲んでいい飲み物は

  • 牛乳、豆乳、麦茶、プーアル茶、ハーブティー、お水

くらいです。食べていい食べ物はたくさんありますが、穀類(主食)には注意が必要で、

  • 原則玄米やライ麦パンなどの精製されていない穀類

を食べることとなっています。ただし、これらも取りすぎは厳禁とのことです。

むしろたくさん食べても良いのは肉類、特に魚が推奨されています。
野菜もたくさん食べると良いようです。
脂肪にはそれほど神経質になることはありません。脂肪は急激には血糖値を上げないからです。また、脳や神経細胞を働かせるには脂肪酸が不可欠ですので、ある程度の脂肪を取ることは重要です。

あと、早食い・ドカ食いは当然ながら厳禁です。ゆっくりよくかんで食べることとなっています。ゆっくりよくかんで食べれば血糖値も緩やかに上昇するため、自然とドカ食いもしなくなります。また、ゆっくりよくかむことにより副交感神経が刺激され、内蔵や内分泌系が食べ物を受け入れる体制を整えるようになりますので、消化もよくなりますし血糖調整異常も起こりにくくなるといいことづくめです。

どうでしょうか。精神的なストレスがどうとか、暴走しかけた脳を薬で抑えるとか、そんなことばっかり聞いていた方にとってはかなり目からうろこだったのではないでしょうか?

これらの方法はお金もかかりませんし、パニック障害に悩んでおられる方は今日からでも実践できる内容ですので、ぜひやってみてください。薬をすぐやめる必要はありませんが、すぐに必要なくなることでしょう(ちなみに、現在パニック障害の治療として唱えられている中では、呼吸法や自律訓練法は理に適った方法ですので、平行してやってくださいね)。

このほか、うつ病や統合失調症にも栄養療法は適用できます。

パニック障害と違い、これらの疾患はある種の栄養素の欠損に問題があることが原因であるため、栄養を補充する必要がありますのでサプリを服用することになります。

栄養が欠損する理由は、単純に食生活による栄養不足のほか、遺伝子異状による栄養素の代謝に問題があるケースなどもあるようです。また、昨今の食物は昔に比べ希少栄養素が減ってきているという話もあります(なので、昔はあまりなかったこれらの疾患が増えてきたとする説もあります)。

サプリを服用する栄養療法については、また今度取り上げたいと思います。