隠すほどの爪なら無い

自分自身の、この自我というものが消滅することへの覚悟はできた。苦しみからの開放・・・。だけど、だけどあと少しだけ、続きが見たい…!

【統合医療】気持ち良く生きる

健康に生きるためには、気持ちよく生きることがとても重要です。

正確には、健康に生きるためには気持ち良く生きることがすべてと断言しても構いません。

人生のすべての時間が「気持ち良さ」で満たされていれば、その人生は幸福であることに疑いの余地はありません。

これは、体の面でも、心の面でもまったく同様です。

正しくは、体と心と言うのはそもそも一体、同一のものなので、中村天風などはこれを「心身統一体」と呼んでいますが、切っても切り離せないものです。

体と心の関係は、物理に詳しい人なら分かると思いますが、電気力と磁気力のようなものです。

心の面で気持ちよく生きるためには、第一に、不安を感じない事がとても重要です。

不安を感じないと言うのは、不安を我慢すると言うのとはかなり違います。少しの不安も生じない、水面に波一つ立たないような心をもつと言うのが、本当の不安を感じないと言う境涯です。

でもたとえば、足を骨折してとても痛い状態で、不安を感じずにいられるでしょうか?

もっと身近な例で言うなら、腹が減った時にイライラする人はいませんか?

これらは体の不調が心の不調に影響した例ですが、逆の例もあります。

「心因性疼痛」とか最近では「筋筋膜性疼痛症候群」でしたっけ?とか言う診断名が流行っているそうなのですが、レントゲンやCTで調べても痛い原因が全く不明と言う病気があります。これを、お医者さんは「ストレスによるもの」とか表現するそうですが、ザックリ言ってしまうとこちらは心の不調が体の不調になっていると言えるでしょう。

内科とかでは「不定愁訴」とやらでザックリやられます。どうも、内科のお医者さんは部分単位に見るのは得意でも全身単位で見るのは苦手なようです。

精神科に行けば「仮面うつ病」とか診断されそうですが、標準医療の治療でもっとも奏功するのはどうやら鎮痛剤や精神安定剤のようです。場合によっては抗うつ剤がとてもよく効くこともあるそうです。

こういうケースでは標準医療は残念ながらあまり役に立たず、痛みどめなどと併用しながら整体や鍼灸を試していくと言うことになるケースが大半です。

ユング臨床心理学の権威、河合隼雄先生の本では心因性で耳が聞こえなくなった例が書かれています。

このように、心と体が一体のものであると言うことをまず理解することは、あらゆる病気の治療にとって良い影響を及ぼします。

つまり、体の痛みにとらわれて心の気持ちよさを見失っていないか?心の不調にとらわれて、体の異常を見落としていないか?と言うことです。

この両方をバランスよく調整し健康を保つのが「自力整体」です。自力整体は、その体操法自体で体をゆるめ気持ち良くする効果があるのはもちろんですが、その「気持ち良さを味わう」と言うことにも重点が置かれています。

つまり心身共に気持ちよくすると言うことです。

どうも、病院などに行くと患者の気持ち良さと言うものがあまりにも考慮されていないので(長い待ち時間、痛い注射、苦しい検査など)、このような「統合医療的」には当然ともいえる哲学が、医療関係者にはちゃんと共有されているのだろうかと、不安になります。

どうか、20年後の病院では皆気持ちよく医療を受けられていますように・・・。