ニュースに触れるのは控えているのですが今回の件はさすがに酷いと思ったので記事にしてしまいます。
しかも、思いっきり乙武氏に対して「悪し様」な解釈をします。
以下は、例によって私の妄想です。そう割り切って読める方だけ読んでください。
ああ、事件を知らない方は以下の記事は目を通しておいてください。
乙武洋匡さん、銀座の「TRATTORIA GANZO」に「車椅子だから」と入店拒否される(追記あり)
イタリアン入店拒否について
乙武氏は、後日公開したブログエントリで「今までこのようなことがなかった」と触れています。
私は、産まれてずっと両手両足がなかった乙武氏が、今まで行きたいと思った場所に行けなかったり、入りたいと思った店に入れなかったことが一度もないと言う事にまず不自然さを感じます。
率直に言うと、そのような主張は信じ難いものです。
で、最初は「そういう幸運な人生を送ってきたのかな」といいようにも思って乙武氏の波乱の人生に少し思いをやったりもしたのですが、今私の中で確信に近い内容はこうです。
乙武氏は予約の段階で、車椅子の件を意図的に告げなかった。
多分、氏の半生の中でそのような「戦略」を取ることが、これまで最も「入店確率」が高かったのだと想像します。
これは、私達でも普通に使う「こずるい」という部類の行動です。
たとえば、初めてお見合いで会う女性に「自分はロリコンである」と告げる人がいるでしょうか?
ある程度仲良くなってから告げるだろうと思うのです。
予約の時に車椅子の事を告げて、断られるのが嫌だったのではないかというのが今現在の私の考えです。
そして、問題の入店騒動となります。
「予約時に車椅子を告げない方が入店できる可能性は高い」と思う乙武氏と、
「予約時に車椅子であることを告げずやってきて悪びれもせず店まで運び上げろ」という困った客を相手にした店長との、
まあ、良くあるケンカですな。
そりゃ、店長側の「ホームページに車椅子は無理ってハッキリ書いてあるのに・・・」という心情が理解できます。
乙武氏程の情報強者が、ホームページの情報すら確認しなかったというのは考えにくいですからね。ブログでは「食べログしか見てなかった」と記していますが、実際のところはあやしいものです。
店主にしてみれば、情報弱者の車椅子のおばあちゃんが食べに来たと言うなら抱えて上がったと思いますよ。間違いなく。そんな匂いを彼には感じる。
しかし「店まで抱えて上がることが当然」のようにふるまう目の前の情報強者(ジャーナリストという、超特級の情報強者)に、そんなことをするわけにはいかないと感じたのでしょう。
事前に調べて、不便をかけるかもしれないと伝えるのが当然の礼儀だと思います。
口論では「常識」の争いになっていますが、私は礼儀・マナーの類の問題と考えます。
だから、この争いはどこまで行っても「傲慢な乙武氏」と「ちょっと気難しい店主」との、いさかいに過ぎない。
それをみんな人権問題やら障害者差別やら、風呂敷広げ過ぎ。
私は、「北斗の拳」に出てくる「仁義には仁義を持って応じよう」(今調べたら無いので間違っていると思うけどそんな感じのセリフ)が大好きなんですけど、飯をレストランで食べるってのもそうじゃないですか。
「食べてやる」んじゃないのです。「食べさせていただく」なんです。
結局頑固店主によって、乙武氏の「戦略」は見事に失敗し、連れの女の子を泣かせるはめになりました。
同じ男として、彼のカッコ悪いやら情けないやらの気持ちは重々理解できます。
しかし、だからと言って「実名を晒して店を非難する」というのは、ジャーナリストとして、人として、消して踏み越えてはならない一線だったと思います。
だって、口論に出てきた「イタリアンに入るとき車椅子なら事前連絡するのが常識」を「広く世に問う」のであれば、店名を晒す必要がない。
だから、100歩譲ろうが1000歩譲ろうが、これは乙武氏の「復讐」であるという点に関しては疑念の余地はないと思います。
むしろ、店名を晒さず「あるイタリアンでこんなことがあって・・・みんなどう思う?」だったらむしろ、乙武氏が優勢だったのではないのでしょうか?支持者が多かったのではないでしょうか?私も多分乙武氏支持に回っていたと思います(まあ普段彼の記事は読まないので炎上することもなく、私が気付くこともなかったでしょうが)。
そんなことは、ジャーナリストである乙武氏は、いくら激昂していたとはいえ、大分アドレナリンも減ってきたころだろうから、想像がついたことは明らかです。
つまり、彼は「店名を晒さず支持を得る」のではなく「店名を晒し店に復讐する(たとえ支持が得られなくても)」という判断をしたことになります。これも、冷酷なまでの計算を持ってやっているとしか見えません。
なぜ、銀座で小さいながらも店を開き、切り盛りしている店長がたかが一人の客を(客側の落ち度で)入店させてやれなかったからと言って、ここまでの目に合わせることが正当化されましょうか。
乙武氏はジャーナリストを辞任するのであれば、店名を晒さず一般論・社会通念のレベルとしてこの件を発信すべきでした。