ユニクロ“年収1億~100万円”の衝撃 「世界統一賃金」導入へ
ちょっと前から、経営コンサルとかが「雇用の流動化」という名目で大企業に首切りを勧めたり、一方で上記のユニクロ柳井会長の「世界統一賃金」の思想を礼賛したりといった動きが顕著になってきています。
これは、冷静に考えれば米国などでは良くある「ロビー活動」をネット上で行っているようなものです。ロビー活動とは、特定の利権団体が自分たちに都合のよい主張を政治家に吹き込む活動の事で、米国などでは盛んにおこなわれているそうです。今話題になっている慰安婦問題なども、もともとは韓国人団体の米国政府要人に対するロビー活動で世界的な問題と認識されるようになったものです。
自由主義経済的に考えれば、ユニクロがそのような構想をマスコミにぶちあげたり、経営コンサルがそれを礼賛したりする必要などなく、もし柳井氏が中国人を雇う方が日本人を雇うより安いと言うなら中国から日本に連れてきて働かせればいいのです。
経営コンサルが「大企業はもっとリストラ(首切り)しろ」と働き掛けるのにしても、経済的合理性があるならわざわざそんなどこの馬の骨とも分からない経営コンサルに言われなくとも黙って首切りを敢行するでしょう。
実際、ユニクロはその生産のほとんどを過去は中国、そして中国の賃金が高騰してきている現在ではインドなどで行っています。しかし、日本で日本人相手に接客販売を行う店長や販売員は、やはり日本人の方がリーズナブルですよね。
日本語をしゃべれる中国人は、日本で最低賃金で働いている日本人よりよほど高額の報酬を要求しますし、インド人もまたしかりです。生産についてはグローバル化でリーズナブルにできるようになった現在、国内の賃金も外国人並みに安くすませられたら・・・、と経営者が夢想するのは勝手ですが、実際には最低賃金制や、それ以前の問題としてそんな安い年収では暮らせませんから、少なくとも現状では誰も雇われに来ません。
端的に言うと「賃下げしてもいいよね?ね?」という世論の醸成を図りたいと言うのが真意であると言うことが分かります。
外国人を雇う方がリーズナブルなのであれば黙って雇えばいいのです。それを禁止する法律はありません。実際、生産はほぼ外国でやっているではないですか。「グローバル企業」ならそうすればいい話です。
企業の「解雇規制」についても同様です。解雇規制と言っても別に罰則規定があるわけではなく、30日前までに解雇予告を行い、普通に規定通りの退職金を支払えば法的には問題なく解雇できます。それをやらないのは規制のせいというより、企業の体面上の都合の方が多分大きいでしょう。
平たく言うと首切りを敢行すれば人事担当者が恨まれて殺傷沙汰に発展したりする可能性が少なからずあります。そのリスクをとりたくない企業が解雇を出来ないでいると言うケースが大半です。
雇用や賃金は今後グローバル化の進展によって少なからず影響を受けるでしょうが、影響を受けない部分もある程度は残るでしょう。グローバル化で一切合切が世界統一になるなどというのは妄言の域を超えません。
賃金がグローバル化しないといけないなどというのは因果がおかしく、グローバル化によって賃金が影響を受ける可能性が多少なりともある、というのが正しい理解です。