隠すほどの爪なら無い

自分自身の、この自我というものが消滅することへの覚悟はできた。苦しみからの開放・・・。だけど、だけどあと少しだけ、続きが見たい…!

医者がアルツハイマーになったら

医者、とりわけ内科医はある意味頭脳で商売しています。

したがって、脳の機能が失われるアルツハイマー病になったら、廃業せざるを得ないでしょう。

誤診でもすれば人の命に係わります。

しかし、アルツハイマー病になって医者の地位を失ったとしても、人間の尊厳までは奪われるわけではありません。

どうか、過去の栄光にすがってのんびり療養生活を送ってください・・・。

そんなのは無責任な傍の人間の戯言にすぎません。

人よりは優れた頭脳を持って生まれ、そしてそれを生かせる内科医という地位に付き、少なからずも尊崇を集めてきた人生に対し、この先に残された余生のなんとショボいことか。

医師になったことのない私にでもある程度はそのつらさが想像できます。

さて、私は女性が男性に対して持っている大きなアドバンテージとして、「子供が産める」という事があると思っています。

何かの拍子で子供が産めなくなったりしたら、女性はひどく傷つくでしょう。

乳がんの拡大切除術で、乳房を失ったために大変なトラウマを抱える人もいます。(銭湯に入れないなど)

女性として生まれ、立派な子どもを作れる体を与えられながらも、正常な分娩ができないというケースがままあります。

むろん、人命が第一です。

しかし、人の尊厳は時として命の価値を超えることがあります。

そういう人に面と向かって「あなたには子を自然分娩する能力はないのだから、おとなしく帝王切開しなさい」といったらどうでしょうか。

先の例に挙げたアルツハイマーの元医者が自殺したとしても、私は全く不自然なことではないと思います。

自然分娩だけが正常であとは異常だとはやし立てる吉村医院の院長が問題でしょうか。

そうではないと思います。では逆に問います。アルツハイマー病にかかった元医者は正常なのかと。

異常だから病気と診断されているのではないだろうか。

こう問い詰めたとしても、結局「子供には責任はない、子供の命が最優先である」ということを言い出す人もいると思います。

しかし、何もしなくても死産する子供も少なからずいるのです。(80人に1人)

医者は、急性虫垂炎になると迷わず虫垂を切ります。

しかし、最近では何も機能がないと思われてきた虫垂も切ってしまうと害を生じるケースがあるということが分かり、切らないほうがいいということが分かってきています。(統合医療では昔からこれを訴えています)。

一種、外科医の練習のようになってしまっている現状の悪弊もあるでしょう。

確かに、某外科医がブログで叩いた吉村医院の件のように、「帝王切開をしなければ母子ともに限りなく100%に近い確率で死んでいた」というケースがごくわずかにはあるかもしれません。

だからと言って、そういうケース「だけを」盛大に叩いて、悦に入っていれば世の中安泰というわけではありません。

ごくわずかにしかないそういうケースが吉村医院に多いことから、吉村医院を叩いているようにも思いますが、逆に言うとほかの病院では取り合ってくれなかったため、吉村医院に集中した、ということなのです。

上の例でいうと、生きる=1、死ぬ=0みたいな医者ではなく、0と1のはざまを診れる、それが真の医師であると私は思っています。

吉村院長がその「真の医師」かどうかは知りません。

しかし、0と1に拘泥してその隙間を覗こうともしない世間の医者たちよりは、優れた治療家だと私は思っています。