隠すほどの爪なら無い

自分自身の、この自我というものが消滅することへの覚悟はできた。苦しみからの開放・・・。だけど、だけどあと少しだけ、続きが見たい…!

【統合医療】「医師の権威」は治療に必要

最近、医師の権威が急速に低下してきているように思います。

私としては、医師の権威と言うものは治療において大変重要なものであると思っていますので、低下してしまっては困るのですが、厚労省や医学会の重鎮と言った本来医療を向上させてゆかなければならない人々が、医師の権威を低下させるようなことを平気でするので目も当てられません。

たとえば、メタボ検診です。男性は腹囲85センチ以上だとアウト。女性は90センチ以上。普通腹囲は男性の方が大きいものだと思うんですけど、なんで女性>男性の基準になっているんでしょうか?

実はこれには科学的な根拠がまったくありません。コレステロールの上限値220mg/Lとまったく同じです。平たく言えば、厚労省や医学会が「鉛筆なめなめ」で決めた値にすぎません。

ちなみに米国ではコレステロールの上限は240mg/Lで、統計的に羅病率・死亡率に有意差は認められないとされています。

こういう、あまりにもあからさまに非科学的な事は追及されず(一部ではされているんですけど)、ホメオパシーのようにある一定の科学的な体系を持っているものは追及されるという事態を見るにつけ、彼らが目の敵にしているのは「非科学」ではなく「既得権への脅威」なんだよな、と思わされます。

近代医学は「科学の勝利」によって発展してきました。コッホが結核菌を発見し、それをやっつける抗生物質が発見され「科学の発展で人間は病気に勝利しうる」というパラダイムが築きあげられたわけです。これは、医学会における産業革命と言ってもいいくらい、画期的なパラダイムシフトだったでしょう。

この「近代医学」というロードローラーは、道にたくさんある車(病気)をことごとくぺしゃんこに潰して進んで行きました。「近代医学」の権威は確固たるものとなり、そのロードローラーの運転手(医師)の権威もうなぎ上りに増していきました。

そしてあるとき、眼前に巨大な壁がそびえたっているのに気づいて急ブレーキを踏みました。この「巨大な壁」こそ、いわゆる「慢性疾患」です。この壁にまともにぶち当たれば、ロードローラーの方こそぺちゃんこになってしまうと言うことに気付いたわけです。

近代医学は慢性疾患を全く治療できず、医師も権威を徐々に失ってゆきました。
ちなみに、代替医療家にとっては常識ですが「がん」も慢性病の一つです。近代医学は「がんを治せない」のではありません。「がんを含むあらゆる慢性疾患を治せない」のです。

一方では、この「不治の病」であるところの慢性疾患を利用してお金を儲けようと言うような不埒な考えも生まれてきました。これが冒頭に述べたメタボ検診であり、コレステロール基準値であります。

考えたくない事ですが、日本の「国立がんセンター」も同じようなコンセプトで運営されていると聞きます。

治療において医師の権威は必須。そのためにはあらゆる病気を「治せない」といけません。近代医学が進歩すればするほど「治せない病気」がどんどん発見されてきて、「近代医学はあらゆる病気を治療しうる」と言うことが幻想だったと言うことが分かります。医師の権威は当然失墜します。

失墜した権威。低下するプラセボ効果。実は、この「医師の権威」によって引き起こされる「プラセボ効果」、つまり「医師の権威を借りた自己免疫による自然治癒力の向上」が低下すると言うことは、当然ながら羅病率を引き上げることとなります。

しかし、一度「近代医学」に失望した人間が、再び「近代医学」に活路を見出すことはほぼ絶望的と言ってもよいはずです。だからこそ「統合医療」というスローガンが必要とされ、厚労省でさえ研究を進めているのでしょう。

統合医療とは、つまりは失われた医師の権威の肩代わり。唯一の希望の光。たとえそれがただの言葉に過ぎなくても、必要なものなのです。