小児科と言うのは現代医療の中では不思議な科で、他の科はすべて人体の「部分」を対象にしていますが、小児科は人体のすべての部分を対象としています。似たようなのに「内科」と言うのがあるわけですが、あからさまな怪我や骨折など外傷性のものは扱いませんので「全身科」ではありません。
最近の総合病院ではそういう科のアイソレーション(分別)を行うために「総合診療科」みたいな科が設立されたりしていますが、実態としては内科と大差ない(劣化版の内科?)とでも言うのが現状でしょう。
そんな中で、小児科は特殊です。一定以下の年齢であれば、どんな疾病でも扱うと言うのです。もちろん、心臓の外科手術が必要になったりすれば話は別なのでしょうけども、基本的には何でもやるわけです。
「医療が高度化すれば細分化されるのが当然」と言っていた人がいましたが、小児科をどう見ているのか、是非意見を伺いたいものです。
息子が最近、水ぶくれができて痒がっているので水ぼうそうになったのかと思って、夜間救急診療に連れて行きました。うちの自治体は割とちゃんとしていて、夜間救急なのにちゃんと小児科があり、総合病院よりずっと早く診てくれます(あまり高度な治療はできないのでしょうが)。待ち時間も診療の一部と考えている私にとっては、これは大きなポイントです。
小児科の先生に診てもらうと一瞬で「とびひですね」と診断されました。若い女性の先生です。
その時にもらった飲み薬の抗生物質なのですが、私もちょっとなめたのですが意外にも「まずくなかった」のです。で、息子もちゃんと飲んでいました。
夜間救急なので2日分しか薬がなく、切れたので近所の内科に連れて行きました。小児科に連れて行かないのは、その病院の先生はやさしくて診てもらいやすいこと、待ち時間が割と短いこと、今までにも何度か診てもらったことがあるからです。
やはり飲み薬の抗生物質をもらったのですが、「フロモックス」という色もどぎつく味がとてもまずい薬でした。
さて、私は抗生物質の適応症とか強さとか種類とかはまったく無知ですが(「JIN」を観て勉強したペニシリンくらいしか知らない)、子供に飲ませる以上飲みやすいにこしたことはないのではないでしょうか。
効き目がたとえあっても、飲まなければ意味がありませんから。効き目が弱くても、飲んでくれる薬の方がいいはずです。
特に、抗生物質はちゃんと飲みきらないと耐性菌を生じるなどと言いますので、飲みにくいのはとにかく困るのです。「良薬口に苦し」が通用する相手ならいいのですが・・・。
その辺をちゃんと考慮しているあたり、さすが小児科の医師はだてに「小児科」を標榜していないな、と感じた次第です。
細かい、多分一部の内科医にしてみれば「どうでもいい」と言うような内容かもしれませんが、こういうことこそ統合医療につながるものではないかと思います。